東京大学大学院工学系研究科、京セラ、東京農工大学、清水建設およびNECネッツエスアイは7月24日、情報通信研究機構(NICT)が公募した「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業」の要素技術・シーズ創出型プログラムで実施する「日EU国際共同研究プロジェクト(ユーザセントリックな通信を実現するAIネイティブな無線ネットワークに関する研究開発プロジェクト)」において採択された「(採択番号:09101)6G MIRAI-HARMONY:クロスレイヤ/マルチドメインAI統合による6Gモバイルシステム最適化の研究開発」に関する共同研究開発を開始したことを発表した。
なおKDDI総合研究所は、研究協力者として本研究開発に参画する。この研究開発は、日本側で採択された「HARMONY」プロジェクトと、欧州側で採択された「6G-MIRAI」プロジェクトが連携し、新たに「6G MIRAI-HARMONY」とプロジェクト正式名称を定められた。
プロジェクトの概要
今回のプロジェクトは、6Gモバイルネットワークにおいて、ユーザーが求めるパフォーマンス、サービス保証、信頼性、エネルギー効率などの多様なニーズ実現のため、垂直方向(クロスレイヤ方向)と水平方向(マルチドメイン方向)の柔軟なAI連携を促進するAI Harmonizationの研究開発を日EUで連携して実施する。
さらに、将来の社会課題解決を目指し、日EU連携のテストベッド、実フィールドを活用し、産業ユースケースに基づいた概念実証を行う。また、国際連携による標準化提案やAI-RAN AllianceやO-RAN Allianceでの合意形成を目指す。
具体的な実施内容
研究項目としては「AIネイティブ・ユーザセントリックRANアーキテクチャ」「マルチAIネットワークの調和」「AIネイティブRAN」「テストベッド実証実験によるアーキテクチャ・構成要素技術の評価」の4点に取り組む。
「AIネイティブ・ユーザセントリックRANアーキテクチャ」では、モバイルネットワークを構成する様々な構成要素におけるAIを統合し、全体的なAIネイティブ・ユーザーセントリックRAN技術を統合するアーキテクチャを定義。
「マルチAIネットワークの調和」では、エンドツーエンドの通信において必要なAI技術を統合し、調和的なネットワーク技術を構成。「AIネイティブRAN」では、AIを用いた無線技術の最適化を実現する。
さらに「テストベッド実証実験によるアーキテクチャ・構成要素技術の評価」国際連携によるテストベッドや、主に産業用途のユースケースで構成要素技術の評価・検証を実施するという。