
65歳以上の単身世帯が35.2% 終活の重要性が高まる中で…
われわれ燦ホールディングスは1932年、葬儀業がビジネスとして確立されていなかった時代に、大阪・北浜で創業し、今年で93周年を迎えます。
近年、葬儀の価格について、インターネット等で集客している事業者が広告で打ち出している安価な葬儀と実際かかる費用に乖離があることが多く、国民生活センターへのクレームも増加し社会問題となっています。業界全体の課題として捉え、生前にしっかりと準備を行い死後のことを家族で考えていただく機会を増やせるよう、ライフエンディングの重要性の認知を高めていきたいと考えております。
実際〝終活〟という言葉が広く認知されるようになり、当社へのお問い合わせも急激に増えています。しかし、お話を聞くと何をどう準備したら良いかわからない、内容も比較しづらいとおっしゃるのが大半のお客様の本音です。そこで当社が窓口となりお話を聞いて整理し、どんな最後を迎えたいのか、ワンストップでエンディング全般にわたって、希望に沿ったトータル提案を行えることが当社の強みであり、存在意義でもあると考えております。
不動産等の相続、自動車、デジタル遺品の整理など、葬儀後はやらなければいけないことが多数あります。これまではそれぞれ専門業者に依頼するのが世間一般的でしたが、当社はこれら全て一括で相談に乗ります。
ご本人とご家族の人生の最後の思い出はとても大事な時間です。当社は長年葬儀の実業で培ってきたノウハウを生かし、安心価格でプロに頼れるお葬式をご提案しております。
核家族化という社会変化の中で〝家族葬〟が人気を集める
コロナ禍を経て家族葬が一般的になった今、お客様からの問い合わせで8~9割の方が「家族葬でやりたい」とおっしゃいます。
2023年から始めた「エンディングハウス」は家族葬に特化した葬儀ブランドです。実際の家をイメージし、リビングルームのような親族控室やキッチン、シャワーなども完備し、仮眠することも可能です。自宅にいるようにくつろぎ、家族中心でお過ごしいただくのがコンセプトで非常に人気があります。
例えばセレモニーを終えたあと、普段着に着替え、故人の好きだった料理をつくり皆でお酒を飲みながら食べたり、ディスプレイに思い出の写真や動画を映し、好きだった音楽を流して、故人との思い出話をして過ごすことができます。家族水入らずで最後の思い出づくりを行える点が非常にご好評いただいています。
現在当社は業界最大手と言われる立ち位置ですが、請け負っている葬儀件数は年3万件程度でして、日本全国でみれば、まだ全体の2%程度に過ぎません。地域密着の小さい企業が全国に5000~6000社あると言われている中で、後継者問題に悩む事業者も少なくありません。昨年は、業界大手のきずなHDに当社グループの仲間になっていただくなど、M&Aにも積極的に取り組んでおります。
今後は全国展開を推し進め同じ志の仲間を増やし、経営の効率化や、労働環境の適正化にも努めていきたいと考えております。