Yextは7月22日(米国時間)、Researchscapeと提携して実施した従来型検索とAI検索の利用状況に関する調査レポート「Yext Report: The Rise of AI Search Archetypes|Yext」を公開した。

この調査は米国、英国、フランス、ドイツの2,237名を対象に行われたもの。AI検索を利用する理由、検索アーキタイプと検索習慣の分類、AIの信頼性の影響、ブランドが今何をすべきかなどを中心に分析および考察している。

レポートに関する概要と、レポートに記載のない各種情報は「Yext Report: AI Search Gains Consumer Trust :: Yext, Inc. (YEXT)」にて公開されている。こちらは具体的なアンケートに関する報告を行っており、過半数(62%)がAI検索を信頼していること、半数近く(43%)がChatGPTやGeminiなどを毎日使用していることなどを伝えている。

  • Yext Report: The Rise of AI Search Archetypes|Yext

    Yext Report: The Rise of AI Search Archetypes|Yext

AI検索が検索エンジンの市場シェアを奪う

生成AI登場により、AIを活用するユーザーは増加傾向にある。単純な調べ物から、レポートの作成支援、研究開発に至るまで利用の幅は日々広がっている。この傾向は検索エンジンにも波及し、最近では従来検索の結果に、AI検索が含まれるようになってきている。

今回Yextが公開したレポートでは、過去3カ月以内にオンラインで商品を購入し、そのときAI検索として音声検索(Siri、Googleアシスタント、Alexaなど)または会話型AI(ChatGPT、Perplexity、Claudeなど)を利用したユーザーが調査対象となっている。全員がオンラインの商品購入に意欲があり、AI検索を活用していることから、今後のSEO対策を検討するうえで重要な分析と言える。

レポートではAI検索のシェア推移について伝えている。その報告によると、回答者の75%がAIツールを1年前よりも多く利用し、また全体のほぼ半数はAI検索を毎日利用しているという。一方で従来の検索エンジンの利用は減少傾向がみられ、2026年までに25%減少するとの予想が伝えられている。

ブランドの宣伝を考えたとき、この変化はAI検索のSEO対策がますます重要になることを示している。Yextは従来検索とAI検索で自社ブランドがどこに、どのように表示されているかを正確に把握することが、これからのマーケターに求められると述べている。

ユーザーの行動把握も重要になる

AI検索に限らず、ユーザーはコンテンツの種類を重視することがある。商品の特徴、価格一覧、概要の比較、詳細な説明、使用者の感想(レビュー)など、目的に合わせてコンテンツを取捨選択し、必要な情報を見ようとする。

レポートではこのような検索行動についても調査している。結論は「平均的なユーザーはいない」で、次に示す6つのタイプの行動に分類できることを特定している。

  • アイデア創出とコンテンツ生成に利用する
  • AIを積極的に活用し、発見する
  • お買い得品の探索、商品比較、決断に利用する
  • 商品レビューとお勧めを探す
  • 従来の検索エンジンを信頼する
  • ソーシャルネットワーキングサービス(SNS: Social networking service)または受動的なWebブラウズからはじめ、その後行動を決める

また、ユーザーは特定の検索手段にこだわらず、従来の検索エンジン、AI検索、SNS、レビューサイトなど、さまざまなプラットフォームを目的ごとに使い分ける傾向にあるという。調査から明らかになった検索プラットフォームと、使用目的の傾向は次のとおり。

検索プラットフォーム 目的
会話型AI 要約(46%)、製品およびサービスの詳細(45%)、使用方法(44%)、創造的アイデア(39%)
検索エンジン 製品およびサービスの詳細(70%)、ビジネス情報(63%)
SNS レビュー(48%)

Yextはこれらユーザーの行動心理から、単一のSEO戦略に頼るべきではないと指摘している。ブランドターゲットに合わせ、露出するプラットフォームの選択、コンテンツの構成、それをAIがどのように理解、分類、ランク付けするか、調査検討する必要がある。

AIの利用増加に反する信頼度の低さは無視できない

YextはAI検索のSEO対策において、その本質的な信頼度の低さは重要と説明している。ポイントは2つ。得られる回答の正確さがわからないこと、AIがブランドを誤認識または完全に排除する可能性があること。

これら課題を克服するために、AIの認識精度を向上させる情報の構造化、AIの認識結果の検証、AIの応答が最新の情報に基づいているかについて調査する必要があるとしている。これらをすべてのAI検索サービスに対して実施することは骨の折れる作業となるが、その特性を早めに把握しておくと、後の対策コストの軽減や売り上げの向上につながる可能性がある。

過渡期だからこそチャンスが広がる

Yextのデータイノベーション担当バイスプレジデントを務めるMark Kabana氏は次のように述べている。

「AI検索は、正確さとわかりやすさが重視されるブランドの発見など、幅広いユースケースにおいて消費者の信頼を獲得しています。消費者はこれらのツールを実際の意思決定に活用しています。データが構造化されず、一貫性もなく、最新のプラットフォームの解釈に合わせて最適化されていない場合、あなたのブランドはオーディエンスの全セグメントから見えなくなってしまうリスクがあります」

Web検索に関する常識は、今まさに過渡期にあると言える。急速な変化が起こりつつあり、AIがその変化をけん引している。変化に合わせて戦略を最適化し、ユーザーに魅力的なコンテンツを提供できるブランドが生き残っていくとみられている。