【国土交通省】EVバスの導入促進に向け、劣化バッテリーを再利用

国土交通省は、電気自動車(EV)バスの導入促進に向けて、劣化したEVバッテリーを蓄電池として再利用する仕組みづくりに乗り出す。バス会社と再生エネルギー事業者、自治体などによるプラットフォームを各地で構築し、蓄電池を使ってバスを充電する実証事業を想定。26年度予算概算要求に補助費を計上したい考えだ。

 EVバスは営業終了後、夜間にまとめて充電するため、バス会社は高アンペアで電力会社と契約しなければならずコストがかさむ。EVバスのバッテリーの保証期間は7~8年程度で、バッテリーが劣化すると長距離走行に耐えられなくなる課題もある。

 ただ、ある程度劣化しても蓄電池としては利用可能だ。国交省は、劣化バッテリーを取り外してバス会社内に定置し、昼間に太陽光発電などの再エネを使って蓄電しておけば、夜間のバス充電に使えると考えた。

 太陽光発電を手掛ける再エネ業者の中には、昼に生み出した電力を使い切れず余らせているところもある。安い余剰電力を蓄電池で活用すれば、バス会社は充電コストを抑えられ、再エネ業者も売電収入が得られる。

 プラットフォームには自治体の環境部局や交通部局が参加し、再エネやEVバスの導入支援、業者間の調整などを担う。国交省はバッテリーの取り外し費用や蓄電池として使えるように配線する作業費を補助する。

 25年度はこれに先駆けて、全国1~2カ所で実証を行う。プラットフォームの設置は求めず、バス会社と再エネ業者の協力により同様の仕組みづくりを試す。

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