
「政治、経済、気候変動、技術など企業を取り巻く外部環境が大きく変わり、リスクも複雑化している。リスクを把握し、ソリューションを提供する我々の重要性は高まっている」
大手損害保険グループ、MS&ADホールディングスで、リスクコンサルティング領域を担う。「グループにとって最良のソリューションをお客さまに提供し、貢献するのが我々の最大の使命」
2024年にリスクに強い組織づくりを支援するプラットフォーム「RM NAVI」を開設した。今、重要視するのは保険の「前」のソリューションでリスクを軽減すること。例えば、企業のサイバーセキュリティの脆弱性を可視化するサービス「MS&ADサイバーリスクファインダー」や、中小企業向けのBCP(事業継続計画)育成のサブスクリプションサービス「レジリード」などを提供。「リスクマネジメントが皆さんの身近になるようにしたい」
今、「生成AI(人工知能)」が様々な場面で企業活動に影響を及ぼしているが、社内の業務効率化に加えて、「事故発生リスクAIアセスメント(リスク評価)」では、AIでデータを分析し、全ての道路・交差点(私道を除く)の事故発生リスクを可視化、未然防止を進めている。
「AIなしで事業を進めることが難しくなっていくのではないか。ただ同時に『人間力』を養うことも重要。機械任せでもいけない」
今後、さらなるサービス開発を進めていくが「保険会社系のコンサル会社であることの強みは活かしていきたい」。例えば、グループのデータを活用して、企業経営に影響を与えそうなリスク情報をアラートで知らせるようなサービスも構想中。
米シリコンバレーにも拠点を持っており、現地駐在員と連携して、「国内では思い付かないようなソリューション」を生み出すことも目指している。
今、社内に対しては「個人でプロフェッショナリズムを磨いて欲しい。そして仕事は組織でやるもの。コミュニケーションを大事にして欲しい」と訴える。