Neowinは2025年7月12日(米国時間)、「This is the data Windows collects about you - Neowin」において、MicrosoftがWindowsを介して収集している個人情報について伝えた。

Microsoftはさまざまなコネクテッドエクスペリエンス(インターネット接続することでサービスを拡張できる機能)を提供しており、サービスを維持するために必要として関連データを収集している。今回Neowinは、Microsoftが5月に公開した「Essential services and connected experiences for Windows - Windows Privacy | Microsoft Learn」をもとに、収集データの概要と確認方法を解説している。

  • Essential services and connected experiences for Windows - Windows Privacy

Windowsが収集する必須データ

Neowinによると、MicrosoftはWindows 10バージョン1903以降、一貫したポリシーに基づいてテレメトリデータを収集しているという。そのデータは「必須」と「オプション」に分類され、必須データはサービスと製品の安全性の維持に必要とされる。

Microsoftが公開した必須データを収集するWindowsコネクテッドエクスペリエンスの一覧は次のとおり。

  • Activity History
  • BitLocker
  • Cloud Clipboard
  • Custom dictionary
  • Date and Time (Windows Time service)
  • Delivery Optimization (for Windows updates, upgrades)
  • Emojis and more
  • Find My Device
  • Get Started
  • Input Method Editor (IME)
  • Location services
  • Microsoft Defender Antivirus
  • Microsoft Defender SmartScreen
  • Phone Link
  • Troubleshooting service
  • Voice typing
  • Windows Autopilot
  • Windows Backup
  • Windows Dashboard Widgets
  • Windows Hello
  • Windows Insider Program
  • Windows Search
  • Windows Spotlight

なお、Windowsのサービスおよびツールに分類されていないが、標準搭載されているMicrosoft Edgeも必須データを収集するコネクテッドエクスペリエンスの1つとされる。

Windowsユーザーがこれらコネクテッドエクスペリエンスを使用すると、Microsoftは関連するデータを収集、送信することがある。具体的にはデバイスの接続性と構成データ、製品およびサービスのパフォーマンスデータ、ソフトウェアのセットアップ情報とインベントリデータが「必須の診断データ」として収集の対象になる。

この他にも認証情報、証明書、設定、デバイスセットアップ情報、ライセンスデータ、ネットワークの測定情報などを含むとされるが、これらはサービスへのサインインに必要な認証情報および設定の送受信を意味しており、不要な認証情報などを収集しているわけではないとされる。

オプションデータの収集と制御

Microsoftは必須データの他に、拒否可能なオプションデータも収集している。オプションデータの概要は「Optional diagnostic data for Windows 11 and Windows 10 - Windows Privacy | Microsoft Learn」から閲覧することができる。

Neowinによると、必須データやオプションデータは企業顧客(Enterpriseエディション)に限り詳細な制御が可能とされる。一般ユーザーにも提供を期待したいところだが、一般ユーザーは設定アプリからその一部を設定することができる。

設定は設定アプリの「プライバシーとセキュリティ」→「診断とフィードバック」から行う。可能な限り送信するデータを減らしたい場合は、次の項目をすべてオフにする。

  • オプションの診断データを送信する
  • 手書き入力とタイプ入力の改善
  • カスタマイズされたエクスペリエンス

テレメトリデータの確認方法

Microsoftに送信される必須またはオプションのテレメトリデータは確認することができる。前述した設定アプリの「診断とフィードバック」において、「診断データを表示する」をオンにすると診断データビューアーから確認できるようになる(参考:「診断データ ビューアーの概要 - Windows Privacy | Microsoft Learn」)。

Microsoftは収集するデータの概要、目的などの情報を「Windows での診断、フィードバック、プライバシー - Microsoft サポート」からも公開している。Microsoftはこれら積極的な情報発信を通じて、その正当性を示し、信用を得る努力をしている。

Windowsの発展と安全性の向上などに協力したいユーザーは、これらデータの送信を許可することができる。同社を信頼できない、または不安だと感じる場合は、オプションデータの収集および送信を拒否することもできる。その判断は各ユーザーに委ねられており、慎重にリスクを評価して選択することが望まれている。