2025年初めに中国発のLLM(大規模言語モデル)「DeepSeek R1」の公開から150日が経過した、AIサービスへのアクセス状況はどうなっているのだろうか?

DeepSeekはどうなった?

低コストながらパワフル、推論能力はOpenAIのモデルに匹敵するという触れ込みで登場したDeepSeek。それまでAIモデルは米国企業が中心だったこともあり、中国発のDeepSeekの登場は「DeepSeekショック」として業界に衝撃を与えた。

あれから5カ月以上が過ぎた段階で、DeepSeekへのトラフィックはどうなっているのか。SemiAnalysysとSensorTowerの市場シェア統計によると、それまでほぼゼロに等しかったこともあり、リリース直後はAIアプリユーザーインデックスを上回る急上昇を見せたが、3月にはインデックスを下回り、そのまま下降線をたどっている。

Webブラウザからのアクセス数も2月は6億1400万だったのが5月は4億3600万と29%のマイナスだ。もっともアクセス数が多いChatGPTは2月に39億500万、5月は54億9200万で40%増加(SemiAnalysisとSimilarWeb調べ)している。

一方で、サードパーティのクラウドサービス経由でのDeepSeekモデルの利用は増加している。OpenRouterなどの統計によると、R1のリリース以来、サードパーティでのR1とV3モデルの総利用量は約20倍に増加しているという。

Semi AnalysisはAI業界のトークノミクス(トークンエコノミー)に触れている。AIモデルの価格は、応答速度(レイテンシ)、対話性、コンテキストウィンドウなどの要素を調整することで決まるが、DeepSeekが低価格を実現している理由は「応答までの待機時間を長くし、同時処理するユーザー数を増やすことでコストを削減しているため」とする。

こうしたことから、DeepSeekは最初のトークン生成まで数十秒かかることもあり、これが他のサービスへの流出要因となっていると分析。Semi Analysisが分析を紹介している。