Windows Centralはこのほど、「Sam Altman says "current computers were designed for a world without AI" - after claiming AGI won't require new hardware」において、AI時代のハードウェアに対するSOpenAIのCEOであるSam Altman氏の主張を紹介した。
同氏は、AI時代には現代とはまったく異なる新しいタイプのデバイスが必要になると考えているという。
AIのない世界を想定して設計された現在のコンピュータ
Altman氏は、同社の公式Podcastにおいて、AIの現状と将来、そして社会に与える影響などについて自身の見解を語った。
同氏は、現在のコンピュータはAIのない世界を想定して設計されたものだと指摘し、「現在の私たちはそれとはまったく異なる世界にいる」と述べている。まったく異なる世界とは、すなわちAIが人々の生活に溶け込み、日々の活動を支え、ときには先導する世界である。
環境を認識し、生活の文脈を理解するデバイスが必要
そのようなAI主導の世界では、環境をよく認識し、生活の文脈をはるかによく理解する新しいデバイスが必要になるかもしれないというのが同氏の考えである。
その一例としては、AIとの対話方法の変化を挙げている。Altman氏は、人間がタイプ入力や画面を見るのとは異なる方法でAIと対話したいと考えていると推測している。現在のように、人間がAIに質問や指示を出して回答を待つのではなく、AIが会議に参加し、文脈を理解し、適切な判断を下し、そして必要なフォローアップを行うような未来が訪れるかもしれない。
元AppleのJony Ive氏とハードウェアを開発中
そのような時代に適合するデバイスとは具体的にどんなものなのだろうか。Altman氏は明確なビジョンを語ってはいないが、現在、Appleの元チーフデザインオフィサーであるJony Ive氏と共同で、新しいハードウェアの開発に取り組んでいることを明かした。
Ive氏は2019年にAppleを退社しており、同年にデザイン会社のLoveFromを、2024年には次世代のデバイス開発を目的とした新会社ioを設立。そして、OpenAIが2025年5月にこのioを買収し、Ive氏とLoveFromはOpenAIの元でプロダクトデザインとクリエイティブを主導することになった(関連記事: OpenAI、ジョニー・アイブ氏率いるio買収、元Apple 製品開発の精鋭が合流 | TECH+(テックプラス))。
OpenAIとIve氏とのコラボレーションは、2007年のiPhone登場以來の技術革新をもたらす可能性があるとも言われている。しかし、Altman氏はPodcastで、この取り組みは非常に高い品質のものを目指しているため、実現には時間がかかると語っている。また、このような新しいデバイスの登場によって、AI主導の世界で人々がコンピューターを使う意味を理解するのには、少し時間がかかると予想している。