Bleeping Computerは6月30日(米国時間)、「Microsoft warns of Windows update delays due to wrong timestamp」において、一部のWindwos環境で6月のセキュリティ更新プログラムの配信が遅延する可能性があると報じた。
Microsoftのミスが原因で管理者の指定期間を超えて延期される可能性があるという。
タイムスタンプの不一致が原因
Microsoftの公式発表によると、原因はタイムスタンプの不一致にあるという。更新プログラムは6月10日にリリースしたが、更新メタデータのタイムスタンプが6月20日になっており、遅延期間が設定されたデバイスで受信が予定よりも遅れる可能性があると説明している(参考:「June 10, 2025—KB5060842 (OS Build 26100.4349) - Microsoft Support」)。
この問題はセキュリティ更新プログラムの延期ポリシー(quality update deferral policies)を設定している組織にのみ影響し、更新プログラムの品質や適用可能性には影響しないとされる。Microsoftはメタデータのタイムスタンプを修正しないと明らかにし、影響を受ける組織の管理者に対して回避策の利用を検討するように提案している。
影響を受けるオペレーティングシステムは次のとおり。Windows Serverの更新履歴には問題の報告はなく、影響を受けないとみられる。
- Windows 11バージョン24H2
- Windows 11バージョン23H2
- Windows 11バージョン22H2
- Windows 10バージョン22H2
回避策
Microsoftはこの件の影響を受け、適切なタイミングで更新プログラムを適用できない管理者に対し、次のいずれかの回避策の利用を提案している。
- 組織がWindows Autopatchを使用している場合は、延期設定をバイパスして更新プログラムを直ちに配信する迅速化ポリシー(expedite policy)を作成する
- 展開リングまたは延期設定を調整して、影響を受けるデバイスの遅延ウィンドウを縮小する(参考:「展開計画の作成 | Microsoft Learn」)
同社はこれら回避策が最終的な解決策だとアナウンスしており、他の方法を提供する予定はないとみられる。セキュリティ更新プログラムの延期設定を行っている組織の管理者には、影響を確認して適切な回避策を実施することが望まれている。