Microsoftは6月26日(現地時間)、「The Windows Resiliency Initiative: Building resilience for a future-ready enterprise」において、Windowsのセキュリティと回復力を高めるための取り組み「Windows Resiliency Initiative」の現在の状況を詳細にレポートした。

その中で同社は、今年の夏後半から、Windows 11でブルースクリーンのエラー画面を廃止し、より簡素化した黒いエラー画面に変更することを発表した。

  • The Windows Resiliency Initiative: Building resilience for a future-ready enterprise|Windows Experience Blog

    The Windows Resiliency Initiative: Building resilience for a future-ready enterprise|Windows Experience Blog

プレビュー版では新しい緑色の背景の画面を表示

Windows 11では、OSに致命的な問題が発生した場合に、再起動のための青いエラー画面を表示する。これは「ブルースクリーン」または「BSOD(Blue Screen Of Death)」と呼ばれ、WindowsのOSエラーを象徴する画面になっていた。

Microsoftはしばらく前より、このブルースクリーンを廃止する計画を発表しており、Windows 11 24H2のプレビュー版ではすでに新しい緑色の背景の画面を表示するようになっている(参考記事:Windows 11の死のグリーンスクリーン画面を合理化 | TECH+(テックプラス))。この変更の時期が、「2025年夏の後半」に正式に決定したようだ。

新しい再起動画面はシンプルに

新しい再起動画面では、問題が発生して再起動を試みるという旨のメッセージと、進捗を表すパーセンテージ、そしてエラーコードと原因となったプログラムのファイル名を表示する。

従来の「:(」のアスキーアート(英語版のみ)やQRコードは廃止され、きわめてシンプルな画面になっている。変更の対象はWindows 11 バージョン24H2で、それ以前のバージョンは影響を受けない。

  • 新しい再起動画面は、黒背景のシンプルなUIに

    新しい再起動画面は、黒背景のシンプルなUIに

クイックマシンリカバリーでダウンタイム削減へ

Microsoftによれば、この再起動画面の再設計は、新しい「クイックマシンリカバリー」機能と合わせて展開するという。クイックマシンリカバリーは、広範囲に影響を与える障害によってデバイスが正常に起動しなくなった場合に、Microsoftが迅速にその修復を展開するための仕組みである。Microsoftは、影響を受けたデバイスに的を絞った修復をWindows回復環境(Windows RE)を通じて広範囲に展開し、ユーザーのPCの修正を自動化する。これによって、再起動のダウンタイムの大幅な短縮が期待できる。

クイックマシンリカバリー機能も、新しい再起動画面と同じく、今夏後半にWindows 11 24H2向けに一般提供を開始する。Windows 11 Home デバイスではデフォルトで有効になり、Windows 11 ProおよびEnterpriseではIT管理者が有効化できる。さらに、今年後半に、ITチームがクイックマシンリカバリーをカスタマイズするための追加機能をリリースする予定となっている。