ファミリーマートは6月27日、富士通が提供するヘッドレスコマース構造を採用したデジタルコマース基盤「Unified Commerce」(ユニファイド・コマース)を使用し、デジタルコマース事業の新たなサービスとして、ECサイト「ファミマオンライン」を3月6日に開始したことを発表した。

サービス開始以降、2025年3月から5月の受注金額は昨年同月比で約1.5倍、サイトアクセス数は前年同月比で約18倍とのことだ。

サービス導入の背景

ファミリーマートは店舗内に設置したデジタルサイネージ「FamilyMartVision」や、会員数2500万ダウンロードを突破したファミマのアプリ「ファミペイ」を基盤とした「カスタマーリンクプラットフォーム」を2023年に構築。新たな顧客体験価値を提供している。

ファミリーマートでは店舗やEC、ファミペイアプリなど顧客との接点が多様化すると同時に、既存のバックエンドシステムの連携と最適化が課題となっており、デジタルコマース基盤の刷新が課題となっていた。

そこで、「ファミマオンライン」において、フロントエンドとバックエンドを分離し、API(Application Programming Interface)連携が可能な「Unified Commerce」を導入した。

取り組みの例

「ファミマオンライン」は従来のオンラインサービスを統合して刷新したECサイトで、限定グッズやご当地グルメのほか、「コンビニエンスウェア」ではこれまで店頭になかった衣料品のサイズを取り扱うなど、豊富な品揃えとファミリーマートならではの購買体験を提供している。

このシステム構築に富士通のデジタルコマース基盤「Unified Commerce」を導入することで、既存システムを大きく変更することなく短納期でECサイトを刷新し、顧客ニーズに合わせた機能追加や、新しいタッチポイントへ迅速かつ柔軟に対応できるようになったという。

プロジェクトはリテールを中心に長年デジタルコマース構築経験を持つ富士通のソリューションエンジニアチームと、ファミリーマートの業務やシステムに精通したアカウントチームが協働。ビジネスの成長に合わせたシステム拡張やコスト最適化が可能なプラットフォーム構築を実現している。

「Unified Commerce」はフロントエンドとバックエンドを分離し、それぞれが独立したヘッドレスコマース構造を採用することで、新たなタッチポイントへ対応する場合も基幹となる業務ロジックへの影響を最小限に抑えられる。

  • 「Unified Commerce」によるECサイト構築

    「Unified Commerce」によるECサイト構築