Google Cloudは6月25日(米国時間)、Geminiの機能をターミナルに直接統合するオープンソースAIエージェント「Gemini CLI」を発表した。Geminiへのアクセスがより容易になり、プロンプトからモデルへの経路が短縮される。Gemini CLIはコーディング、コンテンツ生成、問題解決、詳細なリサーチ、タスク管理まで、幅広い用途に対応する多機能ローカルユーティリティとして活用できるという。

さらに、Gemini CLIをGoogleのAIコーディングアシスタントである「Gemini Code Assist」と統合。これにより、無償版、Standard版、Enterprise版のCode Assistプランのユーザーが、VS CodeとGemini CLIの両方で、プロンプト駆動のAIファーストなコーディングを利用できるようになるという。

無料でGemini 2.5 Proと100万トークンのコンテキストウィンドウにアクセス可能

Gemini CLIは無料で利用でき、利用するには個人のGoogleアカウントでログインし、無償版のGemini Code Assistライセンスを取得するだけ。無料ライセンスにより、Gemini 2.5 Proと100万トークンのコンテキストウィンドウにアクセスでき、プレビュー期間中に利用制限することがないように、大規模な利用枠を提供し、毎分60回モデルリクエスト、1日あたり1000回のリクエストを無料で提供。

  • Gemini CLIは、毎分60回、1日1000回のリクエストを無料で提供する

    Gemini CLIは、毎分60回、1日1000回のリクエストを無料で提供する

複数のエージェントを同時に実行する必要があるプロの開発者、または特定モデルを優先的に利用したい場合は、使用量ベース課金のGoogle AI Studio、Vertex AIキー、Gemini Code Assist Standard版、Enterprise 版ライセンスを利用できる。

Gemini CLIは、コードの理解やファイル操作から、コマンド実行や動的なトラブルシューティングまで、AI機能を提供。これにより、コマンドラインでの作業体験が向上し、自然言語によるコード記述、問題のデバッグ、ワークフローの合理化が可能になる。

組み込みツールの機能により、Webページを取得し、リアルタイムの外部コンテキストをモデルに提供できるほか、Model Context Protocol(MCP)の組み込みサポートやバンドルされた拡張機能を通じて、Gemini CLIの機能を拡張できるという。

また、プロンプトと指示をカスタマイズし、特定のニーズやワークフローに合わせてGeminiを調整できることに加え、スクリプト内でGemini CLIを非対話的に呼び出すことで、タスクを自動化し、既存のワークフローと統合を可能としている。

Gemini CLIはオープンソース(Apache 2.0)のため、開発者はコードを検査して、その動作を理解し、セキュリティへの影響を検証できる。さらに、MCP、システムプロンプト(GEMINI.md経由)、個人・チーム設定などの新しい標準にもとづいて構築しており、拡張可能な設計になっている。

学生、趣味で開発を行う人、プロの開発者向けの Google AI コーディングアシスタントであるGemini Code Assistは、Gemini CLIと同じテクノロジーを共有し、VS Codeではエージェント モードを使用してチャットウィンドウに任意のプロンプトを入力できる。

Code Assistがテストの作成、エラーの修正、機能の構築、さらにはコードの移行までを代わりに実行する。プロンプトにもとづいてCode Assistのエージェントは多段階の計画を構築し、失敗した実装パスから自動回復するという。Gemini Code Assistのエージェントモードは、Insidersチャネルを通じて、すべてのプラン(無償版、Standard、Enterprise)で、追加費用なしで利用できる。