フランスのスタートアップ企業Mistral AIは現地時間6月10日、同社初となるReasoning ModelのLLM「Magistral」を発表。エンタープライズ版(Medium)とOSSで公開するオープン版(Small )の2つをモデルとして発表している。ラテン語で教師や指導者を意味するmagisterに由来し、専門的な意味合いを名に持つ「Magistral」は、多段階推論を重ねる"Reasoning Model"に位置付けられており、Thinking Modeで一定の時間を使って複雑な問題に回答する。まだ初期段階としながらも、数学的問題を解くAIME(American Invitational Mathematics Examination) 2024でのスコア(73.6%)を示す。また、同社プラットフォーム上のLe Chatで動作するMagistral MediumプレビューとChatGPTに対して、同じプロンプトで推論速度を比較する動画をアップするなど高速性もアピールしている。

  • 同社ページ上に掲載されているベンチマーク

Magistral Mediumプレビュー版は有料Premier modelsとしてAPIほかAmazon SageMakerで利用でき、IBM WatsonX、Azure AI、Google Cloud Marketplaceなどで近日利用可能になる。OSS版のMagistral Smallは、Hugging FaceでApache 2.0 licenseで公開されている。Magistral Smallは約240億(23.6B)のパラメータ数で日本語を含む多数の言語にも対応している。