トヨクモの「Thanks OSS Award」とは
緊急時に議論や指示も可能な「安否確認システム2」や社内wiki、FAQ、ポータルとしてナレッジやノウハウを一元管理できる「ナレッジマネジメントツール」などSaaSから各種kintoneAppまで"あったらいいな"をサービス化するトヨクモ。同社は、オープンソースソフトウェアの開発者に継続的な支援を行う「Thanks OSS Award」を運営しているが、このほど2025年上半期の支援を更新した。製品開発に使用するライブラリやツールをはじめ担当者が使ってみたいものなど選定されたOSSの開発者にGitHubの公式プログラムを通じて支援金が贈られている。
新たに支援が決まったOSS開発者たち
2025年度(1月〜6月)に新たに加わったのは、同社製品にも多く利用されているというReact向けに拡張性のあるドラッグ&ドロップ機能を提供する「dnd-kit」を開発するClaudéric Demers氏、バックエンドでの利用が増加しているというGraphQLのDataLoaderをLISP系言語Clojureで実装する「superlifter」(Oliver Hine氏)、ブラウザベンダーのプレフィックス付きCSSの自動変換や最適化などフロントエンド開発ではデファクトスタンダードになるという「postcssとautoprefixer」開発のAndrey Sitnik氏。
NixOS「nixpkgs」メンテナOTABI Tomoya氏は120,000を超えるというNixソフトウェアとパッケージマネージャ管理に携わり"Nix界隈に大きく貢献"している。ほか、ライブラリの自動ドキュメント生成サービス「cljdoc」やコード構文解析も可能な「rewrite-clj」などClojure/ClojureScriptを開発するLee Read氏、Next.JSのJavaScriptバンドラーとしても期待のRust製高速バンドラー「Rspack」のJian Yang氏が加わっている。
「Thanks OSS Award」では、総額年間1,000万円を目標に「GitHub Sponsors」を通じた金銭的な支援活動を実施しているが、その目的は"OSS開発を継続するモチベーションの維持"。基本的に趣味やボランティアで携わる開発者が多いが、利用者が増えるとサポートが増えて疲弊するというジレンマに陥ることも。自社でも使うOSSの開発が継続することのみを願っての活動であると公式サイトに掲載されている。