
家をデザインする設計士が自ら家を建てたい人の相談に乗っている。この経営スタイルには衝撃を受けた─。JFEスチールのエンジニアを経てアクセンチュアでマーケティングやDXなどのデータ分析を手掛けるコンサルタントだった私が当社を知ったときの印象でした。
知人からの紹介で縁もゆかりもなかった愛媛県のハウスメーカーであるコラボハウスと出会ったのですが、カリスマ性のある2人の創業者の下、家づくりのプロ集団として四国の人々のために奮闘している社員たちが一生懸命働いていました。
一般的なハウスメーカーでは家を建てたい人の要望を聞く人と実際に家のデザインを設計する人が異なり、それが伝言ゲームとなって、お客様の要望とは異なる家ができてしまうことが多々あります。しかし、当社では冒頭のスタイルをとることで営業マンを最小限に留め、固定費を抑制。損益分岐点を下げて利益を上げる経営構造を実現していたのです。
ただ、カリスマ創業者に権限が集中していた分、社員が育っていないという課題も抱えていました。実は私が紹介された理由は、この社風を変えることでした。昨年10月に社長に就任したのですが、立ち位置はCOO(最高執行責任者)。目の前の仕事をこなすだけで精一杯でした。
社員が続々と辞めてしまう状況が続く中、コンサルタントでしかなかった自分の覚悟のなさを痛感したのが社員からの「社長はうちをどんな会社にしたいのですか?」という言葉。ハッとした私は頭を完全に切り替えました。社員がやりたいことができる職場環境をつくるためには私自身がCEO(最高経営責任者)にならなければならない。
意を決した私は創業者に「私が会社のトップに立ち、全ての責任をとります」と直談判。設計・施工管理とデザインという二律背反する部門をお互いが高め合う環境づくりに奔走したのです。コンサルタントのままの意識では決して実現できることではなかったと思います。
お陰様で売上高は08年創業から50倍以上に成長し、今では四国に本社を置くハウスメーカーの中で、年間施工棟数が300以上とナンバーワンの実績を誇っています。今後は家づくりからまちづくりと、四国の再生を目指して「日本一面白いこと」を仕掛ける会社にしていきたいと思っています。