Microsoftは5月30日(現地時間)、「Ending USB Type-C® Port Confusion: How Windows 11 WHCP Delivers Consistent Performance on Certified Devices」において、Windows 11デバイスのUSB-Cポートに関する新たなハードウェア要件を発表した。
これによって、Windows 11 24H2以降を搭載する認定デバイスでは、すべてのUSB-Cポートがデータ転送、充電、ディスプレー出力の3機能を標準でサポートすることが義務付けられる。
機能や互換性に問題を抱えるUSB-C
USB-Cポートは、外観が同一でありながらもサポートする機能が異なることが多く、ユーザーはどのポートがどの機能を持つかを判断しづらいという問題がある。例えば、PCがUSB-Cポートを備えていたとしても、そのポートがDisplayPort Alternate Modeをサポートしていない場合は、モニターを接続しても映像を表示できない。
Windows 11では、USBデバイスの接続時に問題が発生した場合、機能制限や互換性に関する通知を表示する。Microsoftの診断データによれば、USB4対応PCの27%で機能制限の通知が表示されているという。これは、ユーザーが期待した機能をPCがサポートしておらず、外部デバイスが満足に利用できない状況が多発していることを意味している。
新基準でUSB-Cの一貫性の実現を目指す
このような問題を解消するため、MicrosoftはWindows 11向けのWindows Hardware Compatibility Program(WHCP)を更新し、USB-Cポートの互換性要件を強化した。新しい要件では、すべてのUSB-Cポートに対してUSB Power Deliveryによる充電、DisplayPort Alternate Modeによるディスプレー出力、USB-IF認証チップの使用、Microsoftの組み込みUSBコントローラードライバーの採用が必要となる。
さらに、USB 40Gbpsまたは80Gbpsをサポートするシステムでは、USB4およびThunderbolt 3との完全な互換性を保証しなければならない。これには、PCI Expressトンネリングのサポート、最大2台の4Kディスプレーに対する60Hz出力のサポート、スリープ状態からの復帰時の安定性確保、各ポートでの最低15W(タブレットでは7.5W)の電力供給なども含まれている。
Microsoftは、新しいWHCP要件によってUSB-Cポートの混乱を解消し、ユーザーが安心してデバイスを選択・使用できるようになることを目指している。PCメーカーは、今後数年間でほとんどのシステムでWHCP準拠を達成する予定だという。