
日本の技術やおもてなしを米国のお客様に提供したい
─ 海外進出についてどう考えていますか。
高岡 実はこの4月にロサンゼルスに路面店をオープンしました。ロサンゼルスオリンピックに向けての基盤づくりという意味もありまして、日本の技術やおもてなしを米国のお客様に提供したいと思っています。
4月にロサンゼルスに路面店をオープン
実は、米国市場は2015年に一度、ニューヨークに出店したんですが、わずか2年で撤退を余儀なくされました。原因は布団文化がある日本では受け入れられていた薄いマットレスをそのまま持ち込んでも、米国では全然売れなかったこと。そして、物流面もネックで、日本から商品を輸送していたのですが、現地での輸送の過程で半数以上が破損し、クレームや返品だらけだったことです。
年間20億円以上の損失を出し、一時はかなり経営が苦しかった時期がありました。
─ そんなに厳しい時代があったんですか。
高岡 ええ。ところが、ピンチはチャンスとはよく言ったもので、こういう時にこそ新しい発想が出てくるんですね。
この時の物流の課題からひらめいたのが、マットレスを3分割にすることでした。3分割にすることでパーツが小さくなり、宅配便で段ボール2箱で送ることができるようになったのです。結果的に、それが後のオリンピックでのカスタマイズにつながっていくのですから、面白いものです。
睡眠の質を追求したいという思いは、米国の方々も同じはずです。米国でも寝具はスプリングマットレスが主流ですが、必ずや当社のエアファイバーの寝具をグローバルスタンダードにすべく、頑張っていきたいと思っています。