
国土交通省は、自治体が独自にデザインする「ご当地ナンバープレート」や全国版の図柄入りナンバープレートについて、モノトーン版を廃止し、カラー版に一本化する方向で検討している。
カラー版を受け取る際、自動車ユーザーは交付業者に手数料を払うとともに、日本デザインナンバー財団に1000円以上を寄付する仕組み。寄付金が不要のモノトーン版の廃止により、年間寄付額は増える見込みだ。
図柄入りプレートは、自治体の住民などに交付される地方版と、住所にかかわらず交付可能な全国版に分かれ、それぞれにカラー版とモノトーン版がある。
地方版の寄付金は、財団を通じて地域の交通サービス改善に使われる。全国版には大阪・関西万博や横浜市の国際園芸博覧会(花博)を記念して作られたものなどがあり、寄付金はそれぞれのイベントでの交通環境改善に使われる。
例えば熊本県ではくまモンのイラストが入った地方版プレートを交付。現在、同県の自動車ユーザーは、①一般的なプレート、②寄付金の必要な地方版カラープレート、③地方版モノトーンプレート、④寄付金の必要な全国版カラープレート、⑤全国版モノトーンプレート――から選択できる。
ただ、カラーとモノトーンを両方作るには交付業者のコストがかさむことから、国交省の有識者会議が対応を議論していた。モノトーンの廃止時期は今後検討する。廃止により、自動車ユーザーが交付業者に払う手数料が下がる可能性がある。
会議では「図柄入りを使いたいがカラー版は派手すぎる」という層への受け皿として、落ち着いた色合いの全国版カラープレートを新たに設けることも検討。この場合、寄付金は全国版と地方版を合わせて年間約3億7000万円以上増額すると見込まれる。