超小型人工衛星を手がけるアークエッジ・スペースが、SAPのクラウドERP「SAP S/4HANA Cloud Public Edition」を採用したことを、SAPジャパンとフォーカスシステムが5月29日に発表。システム構築はフォーカスシステムズが担当し、4月から導入プロジェクトを開始しているという。
SAP S/4HANA Cloud Public Editionは、“すぐに使えるエンタープライズ管理ソリューション”としてSAPが提案する、SaaS(Software as a Service)型のERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)。業種別ベストプラクティスに基づいて運用できるよう、事前設定済みプロセスを適用でき、ビジネスモデルの再構築や業務の再定義も可能とする。
アークエッジ・スペースでは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携しながら、地球低軌道から深宇宙探査、月面インフラストラクチャーの構築まで、幅広いミッションに対応する超小型衛星などの開発を進めている。
同社の事業を支える基幹システムには、部門ごとの個別のシステムやスプレッドシートが点在しており、今後のさらなる事業拡大に向けて、監査対応の強化、業務の効率化、衛星開発プロジェクトにおける正確な収支把握が急務だったという。こうした課題を解決すべく、経営基盤としての基幹システム強化を検討開始。約3カ月でSAP S/4 HANA Cloud Public Editionの採用を決めたとのこと。
同社の福代孝良CEOは、「自社の規模でSAPのERPを採用できるとは考えていなかった。SAP S/4HANA Cloudが急成長中のスタートアップ企業でも導入しやすいコストでありながら、基幹システムのグローバルスタンダードとしての信頼性を備えている点が、採用の大きな決め手。さまざまな導入実績を持つフォーカスシステムズの存在も大きく、業務標準化とソフトウェアを武器とする攻めの経営の実現、また将来的なAI活用にも期待している」と、採用理由についてコメントしている。