NTT西日本グループは5月14日、自治体や企業のセキュリティ課題の解決を支援する「Cybersecurity Primary Care」を開始することを発表した。この取り組みは医療分野の「プライマリ・ケア」の考え方を取り入れており、サイバーセキュリティを「特別なもの」ではなく「日常の健康管理」と捉えるという発想で展開する。セキュリティ対策の相談窓口をはじめ、セキュリティ診断、ASM(Attack Surface Management)、SOC(Security Operation Center)など、総合的なセキュリティ支援を提供する。
プライマリ・ケアとは、患者が最初に受診する、日常的な健康管理や病気の早期発見・予防、慢性疾患の管理などを行うための身近な医療を指す。
サービス開始の背景
近年高度化するサイバー攻撃により、自治体や企業におけるセキュリティ対策の重要性が高まっている。国内ではサイバーセキュリティ人材の不足が深刻化しており、日々リスクが高度化し、さらに変遷していくセキュリティ対策は社会課題となっている。こうした状況の中で、いつでも誰もが安心して相談できる存在の必要性が増している。
NTT西日本グループではこれまで、日本自動車工業会(JAMA)・日本自動車部品工業会(JAPIA)の自動車産業サイバーセキュリティガイドラインに対応した、「サプライチェーンセキュリティ強化」に対する取り組みや、文部科学省の教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインに対応した「教育委員会向けゼロトラストマネージドサービス」を提供してきた。
こうした取り組みを踏まえ、社会課題に向き合い地域社会のセキュリティ対策を行う「Cybersecurity Primary Care」を定めた。専門知識がなくても安心して利用できる、総合的なセキュリティ支援を提供するとしている。
Cybersecurity Primary Care の概要
同サービスでは、NTT西日本グループが「セキュリティのかかりつけ医」として、予防から復旧まで一貫してセキュリティ対策を支援する。社会通信インフラの防衛で培ったサイバーセキュリティの知見を生かしてセキュリティ環境を保護する。
NTT西日本グループは同サービスにおいて、「セキュリティのかかりつけ医」として日常的にお悩み相談窓口などを通じて顧客と接点を持ち、潜在的な課題の顕在化やセキュリティ健康管理情報を踏まえた対応、必要に応じた専門家との連携により、継続的なセキュリティ強化を図る。
また、24時間監視体制を整えているため、インシデント発生時には迅速な対応が可能。セキュリティに対して十分なリソースや知見のを持たない顧客でも安心して利用できるようサポートし、IT担当者が本来業務に集中できる環境を提供するという。