
「社長が変われば会社も変わる。コーチングを通じて経営トップに”気づき”を与えることで行動変容を起こし、企業価値を高めるための手伝いをしていく」
米国では一般化しているコーチング。成功体験を伝えるコンサルティングと違い、コーチングは様々な角度から質問・助言することで、経営トップの頭の中に潜んでいる答えを導かせる。経営トップの行動は、その下にいる多くの部下に影響を与える。
どこの企業でも「人の話を聞く力を持てば素晴らしいリーダーになれるのに」などと言われる人がいる。そういった人の強みを伸ばし、弱みを改善することで、クライアントの目標達成を支援する。ただ、日本でのコーチングの知名度は低く、米国市場は約1500億円の市場だが、日本は90億円規模。
パートナーも含めて200人のコーチが在籍しているコーチング業界初の上場企業。顧客企業は大企業を中心に300社を超えており、今後は現在売上高の約5割を占める「1対n型ビジネス」に加え、「1対1型ビジネス」を拡大し比重も高めていく。
コーチングとの出会いは自らの原体験だった。前職の生命保険会社在籍時は成績優秀で入社6年目に最年少で営業所長になった。だが、自分のやり方を部下に押し付けるスタイルが部下の人身離反につながった。
答えが見つからず、悪戦苦闘する中で銀座の支店長時代に出会ったのがコーチング。「支社のメンバーに対し、しっかり話を聞き、質問し、時にアドバイスするというコーチングの手法を実践したところ、メンバーも生き生きと仕事をするようになり、職場も活気づいた」
メソッドの肝は米国で「コーチングの神様」と呼ばれるマーシャル・ゴールドスミス博士のエッセンス。2009年からエグゼクティブコーチングを始めて事業の中核となった。国際情勢が混沌とする中、「人の可能性を掘り起こす」事業となる。
休日はグルメ歩きをして過ごす。「美味しいものを食べながら面白い人と出会うのが醍醐味」と笑みがこぼれる。