電通においてテクノロジーを起点とした社会課題の解決や新しい表現開発に取り組むクリエイティブR&D組織である「Dentsu Lab Tokyo」は5月9日、離れて暮らす家族の気配を香りで共有し合うことができるコミュニケーションデバイスとして、「気配の花」のプロトタイプを開発したことを発表した。

  • 気配の花_気配が咲いた瞬間を捉えたキービジュアル

    気配の花_気配が咲いた瞬間を捉えたキービジュアル

開発の狙い

「気配の花」は、離れて暮らす家族や大切な人の様子が気になるものの、頻繁に連絡を取り合うのは現実的には難しい、という、日常の中での「見守り」や「つながり」のあり方に着目し、離れて暮らす相手とのつながりを、香りを通じて優しく感じられるよう設計された。

「毎日連絡するのは迷惑ではないか」とためらう親世代と、「突然の電話は少し照れくさい」と感じる子世代。それぞれの気持ちに寄り添いながら、電話やメッセージといった明確なやり取りを介さずとも、香りを通じて日常の中で「ちょうどいいつながり」を生み出す体験を提供する。

  • 気配の花の仕組み

    気配の花の仕組み

「気配の花」の仕組み

「元気だよ、の代わりに」をコンセプトとした「気配の花」は、人の声に反応するセンサー付きマイクと、香りを放出することで花が咲くプロダクトがセットになったコミュニケーションデバイス。

「おはよう」「行ってきます」「ただいま」の3つの声にセンサー付きマイクが反応し、離れた場所に設置した別の「気配の花」デバイスに香りを出す信号を送る。

例えば、自宅で朝起きたとき、マイクに「おはよう」と声をかけると、離れて暮らす両親の家に置かれた「気配の花」から香りが出て、自分の気配を届けることができる。香りはお互いを感じられるものを好みに合わせて使用可能。

家族や恋人など大切な人への贈り物や、新たな高齢者の見守りの形として市場展開を視野に入れており、現在、商品化に向けた共創パートナーを募集しているという。