トレンドマイクロはこのほど、セキュリティバーチャルイベント「The Future is Proactive Security」において、プロアクティブなセキュリティを推進する新たな戦略を発表した。
チェンCEO「サイバー攻撃の先を行くために、プロアクティブな対処を
イベントでは、トレンドマイクロの代表取締役社長兼CEOのエバ・チェン氏が、トレンドマイクロの新たなビジョンを示すタグライン「Proactive security starts here」を発表。同氏は、イベントで次のように語った。
「新しい技術の革新とともにサイバー攻撃者もAIを活用し、アタックサーフェスは拡大を続けている。一方でセキュリティ従事者は深刻化する脅威と限られたリソースのバランスを取る必要に迫られている。このような状況を打破するには、従来の事後対応型のセキュリティだけでは十分ではなく、企業全体とサイバーセキュリティリスクを俯瞰する新しい視点を持つことが必要となってくる。それを実現するには攻撃経路を予測し、サイバーセキュリティのニーズに合わせたリスク軽減策を実行する優先順位付けがカギとなる。これからのサイバーセキュリティは、サイバー攻撃の一歩先を行くために、このようなプロアクティブな対処が求められてくる」
サイロな環境が作り出した負荷を解決
最高執行責任者(COO)ケビン・シムザー氏は新たな戦略をイベントのビジュアルテーマにもなっているチェスに例えながら、相手の動きを予測し盤面をコントロールすることが勝利の秘訣となり、この戦略と先見性はトレンドマイクロが進める戦略と同じものであると強調。
さらに、シムザー氏はこれまでのセキュリティ市場は、脅威からの保護、検出、事後対応に焦点を当てており、その結果、さまざまな種類のテクノロジーや異なるツールを作り出すことになり、それらが十分に統合されないままサイロな環境を作り出してしまったと指摘。
そのため、SOCやセキュリティオペレーションセンターに多大な負荷が生じている状況になっており、それらの解決策として、トレンドマイクロが新たに掲げる「プロアクティブセキュリティ」がカギとなる時代が到来すると語った。
プロアクティブセキュリティを実現する3つの要素
最高エンタープライズプラットフォーム責任者(CEPO)レイチェル・ジン氏は、プロアクティブセキュリティを実現する3つの要素として、「可視化」「優先順位付け」「緩和策」を挙げた。
ジン氏は、これら3つを組み合わせることで、セキュリティリーダーが脅威を積極的に予測し、未然に防ぐ手助けとなると示し、同社のエンタープライズサイバーセキュリティプラットフォーム「Trend Vision One」 を介して、このプロアクティブセキュリティの実現に貢献していくと語った。