Excel上でPythonを用いたコード入力やグラフ化、解析を可能とするPython in Excelの利用ユーザー範囲が3月のアップデートで広がったことを公式ブログが伝えている。

Excel for the WebやFamily and Personal版などWindowsプラットフォームで拡大

昨年9月にMicrosoft 365 Business and Enterpriseユーザーでの一般利用(generally available)を開始しているが、同ユーザーWeb版のExcel for the Webに加えてFamily and Personalユーザーにもプレビュー機能として提供を開始するアップデートを行っている。

Platform availabilityのページに詳細を記しているが、Windowsプラットフォームでは、広く利用する環境を備えたことになる。Mac版では2月にベータチャンネルで開始しており、各プラットフォームには今後対応する予定だ。なおビジネスやエンタープライズプランなどExcel Copilotを使えるユーザーはCopilotを使ってPythonコード周りの恩恵も受けられる。

Python in Excelとは

セル上で=py(と入力すると出現するPython入力エリアにコードを入力、Ctrl+Enterで実行するPython in Excel。Excelデータをそのまま変数として扱える特徴があり、pandasやnumpy、matplotlibなど数値計算やデータ可視化でつかわれるライブラリ、科学計算用のscipyなどPythonディストリビューターであるAnacondaとのパートナーシップで提供される豊富なライブラリを使った制御がExcel上で可能になる。

たとえば、グラフや図の描画を行うmatplotlibを使う場合は、import matplotlib.pyplot as pltでライブラリをインポートし、data = xl("A1:A10") でA1からA10までのセルを指定、データポイントの形状を円にした折れ線グラフをplt.plot(data, marker='o') 、plt.show()で表示と下記を入力し、Ctrl+Enterを押す。

import matplotlib.pyplot as plt
data = xl("A1:A10")
plt.plot(data, marker='o')
plt.show()

すると入力セルにImageと表示され、これをカード型やセル上でグラフとして確認できるようになる。おもだったライブラリの基本形を覚えておけば、既存のExcelデータをPythonで変換する必要も無く、そのままグラフ化で確認できる。

  • A1からA10にある1から10をmatplotlibで折れ線グラフ

DataFrameを使った予測分析や自然言語解析など高度な活用も可能で、昨年9月の公式ブログではその一端を紹介している。