富国生命社長に渡部毅彦専務 「差別化戦略」で国内市場を深堀り

「ステークホルダーであるご契約者、従業員、地域社会にとって『最優』の生命保険相互会社となるべく努力していきたい」

 こう話すのは、富国生命保険次期社長の渡部毅彦氏。

 2月25日、富国生命は社長交代を発表した。4月1日付で社長には専務執行役員の渡部氏が昇格、社長の米山好映氏は代表権のない会長に就く。

 渡部氏は1962年4月新潟県生まれ。86年新潟大学法学部卒業後、富国生命入社。渡部氏は「戦後間もない頃から掲げている『最大たらんよりは最優たれ』という社是に強く惹かれて入社した」と話す。

 資産運用計画の策定や収益管理を行う「財務企画」の経験が長い他、来年度から新たな中期経営計画の取りまとめを担当するなど、経営戦略を担ってきた。来年度から新中計が始まることに合わせて、渡部氏に今後のカジ取りを託す。米山氏は渡部氏を「私以上に決断力が優れている」と評す。

 米山氏は10年に社長に就任。リーマンショック後の厳しい経営環境の中、「国内外での資本調達、自己資本の強化にひたすら励んできた」(米山氏)と振り返る。その結果、国内生保の中でも高い自己資本比率を実現するなど、強固な財務基盤をベースにした配当還元を続けてきた。

 国内市場は少子高齢化で縮小傾向にあるが、「少子高齢化は続くが、デフレと異次元緩和は収束しつつある。これは当社にとってポジティブな変化。『金利ある世界』で運用収益を拡大することで保険の生産性を上げるために投資できれば、国内市場でやっていける」と渡部氏。

 富国生命は「横並びを嫌う会社」(米山氏)。世の中の流行り廃りに流されない差別化戦略を引き継ぎながら成長の道を探ることが渡部氏に求められている。