日立製作所(日立)は3月12日、基本給を底上げするベースアップ(ベア)に相当する賃金改善額について労働組合の要求に対して満額となる1万7000円で回答した。現行の要求方式となった1998年以降で過去最高額。満額回答は2022年から4年連続となる。
定期昇給など賃金維持分を含む賃上げ率は6.2%と、前年の5.5%から上昇幅が拡大した。年間一時金の回答は6.5カ月分(要求は6.9カ月)とし、賃金と一時金を合わせた平均年収の増加率は7.8%となる。
初任給に関しては、大卒が26万9000円(1万9000円の引き上げ)、高卒が20万5000円(1万8000円の引き上げ)となる。
同日の記者会見に登壇した日立 Deputy CHRO(最高人事責任者)の瀧本晋氏は「2024中期経営計画で掲げる業績目標(売上高にあたる売上収益を8兆円、調整後EBITA率を12%、ROIC10%など)はおおむね達成する見通し。『従業員が会社の成長の成果の還元を実感し、自分自身と日立のさらなる成長に向けて挑戦し続ける好循環を実現したい』という考えのもと、賃金・賞与ともに過去最高水準の回答を決断した。会社を成長させる最大の源泉は人材だ」と述べた。