
当社は2018年から海外IT人材事業を始め、現在はインドの上位工科系大学の学生と日本企業をマッチングする事業を展開し、企業のDXやIT人材不足といった課題解決に取り組んできました。
今はそれに加えて製造業、特に中小企業のお客様から「設計の人材を採用できない」といった相談をいただくことが増えました。機械、電気、半導体のエンジニアの不足が顕著になっており、今や海外人材事業の中で、ITと製造業の割合が同じになるほどの伸びです。この分野についてもインドの理系人材の採用が進んでいるのです。
実は以前から、提携しているインドの工科系大学の方々からは、ITだけでなく機械、電気、電子系の学生も採用して欲しいということを言われていましたが、ここに来てお互いのニーズが一致した形です。
日本企業の方々も、インドといえばIT人材というイメージが強かったのですが、私達が紹介させていただくことで、徐々に認知が進んできました。
実際にインドの人材に日本企業で働いてもらう際に、最も気をつけているのは「言葉」です。それは単に言語だけでなく、その裏にある文化背景も含まれています。日本語という言葉の教育を通して、日本文化に関する教育も進めているのです。
例えば「時間」に対する認識は国ごとに違います。「10時にミーティングを始めます」と伝えた時、5分前に来る日本人、ちょうどに来るアメリカ人といった違いがあります。
日本語教育の際、学生達に「日本では1分でも遅れたら遅刻ですよ」と伝えても、インフラが整っていないインドでは雨が降ると道路が冠水してしまうなど、やむを得ず遅刻してしまうことがあります。こういった事に対しても時間を守る大切さを根気強く教えることで、文化的ギャップを小さい状態にしています。
実際に働いた結果、日本企業からもインドの人材からも「よかった」という声が多く届いています。今後に向けては私達が日本企業に対して情報発信をすることで、インドの人材をさらに受け入れていただけるような体制づくりを進めていただくことが必要だと考えています。
具体的には、受け入れを予定している企業への研修を通じて、宗教への理解や、海外の方々に対して伝わりやすい日本語の話し方、国によって違う「わかりました」のレベル感の違いの確認方法などをお伝えしています。これが進むことによって、日本人、インド人など、どこの国の人材であるか関係なく採用していただけるようになるのではないかと思います。
製造業を志望するインドの人材は、日本の製造業の技術力の高さを尊敬しており、来日するモチベーションになっています。給与も、インドで働くよりも日本で働いた方が年収は高いのです。ただ、すでに来日して働いている人達にとっては足元の円安の影響はゼロではありません。
今後の展望としては、日本とインドの理系人材同士の交流が深まるように交換留学や、大学同士の提携も視野に入れて活動をしています。
また、来日したインド人材の「コミュニティ」も必要になると思います。インド出身者の子弟が通えるインターナショナルスクールが日本に少ないという現状もありますから、その整備も必要になるでしょう。
当社グループにとっても成長事業と位置づけられていますが、お客様の広がりに手応えを感じているところです。