Bleeping Computerは3月6日(米国時間)、「Microsoft 365 apps will prompt users to back up files in OneDrive」において、Microsoftは3月中旬からMicrosoft 365ユーザーにOneDriveへのバックアップを促すと伝えた。

これはMicrosoft 365メッセージセンターの「MC1024398」(要ログイン)にて発表された。Word、Excel、PowerPointの使用時に通知が表示されるようになり、「OneDriveへの既知のフォルダー移動(KFM: Known Folder Move)」を要求するという。

  • Microsoft 365 apps will prompt users to back up files in OneDrive

    Microsoft 365 apps will prompt users to back up files in OneDrive

OneDrive KFMの概要

KFMにおける「既知のフォルダー」は、デスクトップ、ドキュメント、ピクチャ、スクリーンショット、カメラ ロールを指す。Microsoftはエンタープライズおよび大規模な組織の場合、これら既知のフォルダーをOneDriveに移動すると次の2つのメリットがあるとしている。

  • ユーザーは使い慣れたフォルダを引き続き使用可能。ファイルをOneDriveに保存するために、毎日の作業習慣を変更する必要はない
  • OneDriveにファイルを保存すると、ユーザーのデータがクラウドにバックアップされ、任意のデバイスからファイルにアクセス可能になる

Bleeping Computerによると、組織内にKFMを完了していないユーザーがいる場合、使い慣れたアプリに通知を表示して登録を促すという。ユーザーが通知の「Open OneDrive(OneDriveを開く)」ボタンを選択すると、バックアップするフォルダー選択ダイアログが表示されるとのこと。

  • OneDriveへのバックアップを促す通知の例 - 引用:Microsoft

    OneDriveへのバックアップを促す通知の例 引用:Microsoft

  • フォルダー選択ダイアログ - 引用:Microsoft

    フォルダー選択ダイアログ 引用:Microsoft

展開は段階的

OneDrive KFMは4月上旬までパブリックプレビューとして展開され、5月上旬までに一般公開される予定だ。Bleeping Computerによると、ロールアウトは自動的に開始されるという。

ユーザーに通知を表示したくない企業の管理者は、OneDrive KFMをブロックすることでロールアウトを停止できる(参考:「IT 管理者 - OneDrive ポリシーを使用して同期設定を制御する - SharePoint in Microsoft 365 | Microsoft Learn」)。

Microsoftは近頃、OneDriveのユーザー獲得を狙った取り組みを推進している。先日もWindows 11の設定アプリがOneDriveへのバックアップを促すことが明らかになった(参考:「Windows 11、OneDriveへのバックアップ強要警告は利益誘導か? | TECH+(テックプラス)」)。

また、無料のMicrosoft Office(限定的なテストを実施中)がOneDriveのみに対応し、ローカルに保存できないことが確認されている(参考:「Microsoftが無料のデスクトップ向けOfficeリリース? 公式発表はなし | TECH+(テックプラス)」)。

OneDriveは5GBを超えると有料となるため、これら一連の活動は利益誘導(マッチポンプ)との指摘がある。Windowsユーザーには突然の通知に惑わされず、必要に応じて機能を活用することが望まれている。