
闇バイトによる強盗事件が相次いでいることを受け、総務省は、X(旧ツイッター)など大手SNS(交流サイト)事業者5社に対策の実施を要請した。闇バイトを募集するSNS上の投稿を迅速に削除することや、アカウント開設時の本人確認を厳格化することなどを求めた。
対象はXのほか、メタ、グーグル、「TikTok(ティックトック)」運営会社、LINEヤフーで、業界団体を通じて文書で要請した。捜査機関からの照会に円滑に回答する体制を整備することや、利用者が闇バイトに加担しないよう注意喚起することも求めた。
闇バイトを巡っては、政府の犯罪対策閣僚会議が緊急対策をとりまとめたばかり。この緊急対策を踏まえて、村上誠一郎総務相は、「関係省庁と連携し、闇バイト対策を加速化させていきたい」と表明。「どのような情報をインターネット上で流通させることが違法であるかを示す、違法情報ガイドラインの策定の準備を進めている」と話した。
ガイドラインには①募集を行う者の氏名や業務内容等の明示がない募集投稿は職業安定法に違反することを明示し、SNSの事業者による投稿の削除などの適切な対応を促すこと②インターネットサービスを提供する事業者に対し、携帯電話番号による認証など本人確認手法の厳格化や、捜査機関からの照会に対する体制整備、サービス利用者に対する注意喚起や周知活動を促すこと─が盛り込まれる予定。
また、闇バイト事件では指示役側が、秘匿性の高い海外の通信アプリ「シグナル」などを使って指示する傾向にあるため、警察当局と迅速に情報共有ができるよう、同アプリの事業者などに日本法人窓口の設置を促すことも検討する。村上総務相も「こうした秘匿性の高いサービスが犯罪捜査を難しくしている面がある」と指摘しており、警察庁の犯罪対策に必要な協力をしていく構えだ。