【経済産業省】価格転嫁・価格交渉調査 タマホームがまたも最低評価

経済産業省は、価格転嫁や価格交渉の状況に関する調査結果を公表した。10社以上の中小企業から主要な取引先に選ばれた発注企業211社のうち、タマホームが価格交渉で前回に続き2度目の最低評価を受けた。さらに、国土交通省や自治体も初めてリストに加わった。

 調査は2022年に始まり、半年に1度実施。中小企業30万社が対象で、17.1%が回答した。価格転嫁・交渉について、発注企業がどれだけ応じたかについて、10点満点で点数化。発注企業ごとに平均値を算出して「10~7点(ア)」「7点未満4点以上(イ)」「4点未満0点以上(ウ)」「0点未満(エ)」に分類した。

 価格転嫁・交渉のいずれかで最低評価の「エ」を受けたのは、タマホームに加え美和ロック、一建設の3社。日本郵便や西濃運輸、ソフトバンクなど10社はいずれも「ウ」だった。全体では状況が改善したものの、住宅メーカーや運送業などで大きな進捗はみられず、関係者は「悪いままの業界や企業が残っており、2極化の兆がみられる」と話す。

 今回新たに掲載されたのが、国や自治体による取引だ。国交省や東京都、福岡県など5自治体がリスト入りした。大半は上位の評価だったが、兵庫県は価格転嫁に下から2番目の評価「ウ」が付いた。

 入札による価格決定のため交渉の余地がないという認識が広がっているが、物価上昇に応じた再交渉・転嫁が禁止されているわけではないなどとして、国や自治体に適切な対応を求めている。

 政府は取引の適正化を進めるため、サプライチェーンの頂点企業に対し、直接の取引先だけでなく、先の取引段階に位置する企業まで考慮した価格の設定を各事業所管大臣から要請。さらに、取引段階が異なる企業3社以上による事業計画を新たに承認、支援することなどを盛り込んだ下請中小企業振興法の改正案を今国会に提出する。下請法の改正と合わせて一層の価格転嫁を促す方針だ。

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