中国発のAIベンチャーであるDeepSeekが話題をさらっているが、MicrosoftがDeepSeekのモデル「R1」をAzure AI FoundryプラットフォームとGitHubに導入した。R1は1月20日に公開されたDeepSeekの推論型のLLM(大規模言語モデル)。OpenAIなどの主要モデルと比較して低コスト、効率性などの特徴を持ち、オープンソースとして公開されている。

「R1」がモデルカタログに追加される一方、モデル学習にOpenAIのAPI使用か?

MicrosoftはAzure AI FoundryのモデルカタログにR1を追加、GitHubではR1をシームレスに統合するガイドを公開した。これによりAzure顧客はAIアプリケーションにR1の組み込みが容易に行える。

MicrosoftのコーポレートバイスプレジデントでAIプラットフォームを担当するAsha Sharma氏は公式ブログで「R1は厳格な安全性評価を経ており、自動化された動作評価やセキュリティレビューを通じてリスク軽減を図っている」としている。今後、Copilot Plus PC向けにローカルで動くR1の軽量版を提供する計画も明かしている。

2022年末のOpenAIの「ChatGPT」でも早期に動いたMicrosoftだが、DeepSeekでも急ピッチで統合を進めた格好となる。一方で、Microsoftは提携関係にあるOpenAIはDeepSeekがモデルの学習にOpenAIのAPIを使用した可能性について調査しているという報道も、Bloombergなどから出ている。

Microsoftのセキュリティ研究者は2023年にOpenAIの開発者アカウントを通じて大量のデータが使用されていることを検出しているとのことで、DeepSeekと関連している可能性があると見ているという。