デロイト トーマツ グループは1月22日、日本国内のTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界の企業を対象にした過去3決算期の収益(売上高)に基づく成長率のランキング、「Technology Fast 50 2024 Japan」を発表した。

Fast 50はデロイトが世界規模で開催しているTMT業界における成長企業を表彰する国別のランキングプログラム。日本ではTMT業界の企業を過去3決算期の収益(売上高)に基づく成長率によりランキングを作成し、上位50社を発表している。成長率を指標とすることにより、企業規模によらない成長性を示すことができるという。

第1位の売上高成長率は10596.7%

同ランキングの第1位となったのは、オンラインピル診療サービスをはじめとするプラットフォームを運営するmederi。売上高成長率はなんと10596.7%を記録している。

第2位は、福岡県に本拠を構えるQPS研究所だ。同社は、人工衛星、搭載機器、ソフトウェアの研究開発、設計、製造、販売を事業としている。

第3位は、電動マイクロモビリティシェアリングサービス「LUUP」を提供するLuupだ。mederi、QPS研究所、Luupのいずれも初の受賞となる。

  • Technology Fast 50 2024 Japan 引用:デロイト トーマツ グループ

ソフトウェアと通信業が好調

前回に成長率1000%(11倍)を超えたのは1社のみだったが、今回は1位のmederiをはじめQPS研究所、Luup、JDSCが1000%を超えた。これら4社に、Cellid、SAKURUG、すむたす、ペイトナーを合わせた8社が600%(7倍)以上となり、前回を2社上回っているとのこと。

受賞企業を業種別に見ると、最も多かったのは前回と同様にソフトウェアで全体の6割近くを占めた。これに通信を合わせた割合は8割と前回と同じ比率となっているという。

同社は、近年の人手不足を背景に、さまざまな分野で生産性の向上や管理業務の効率化を図るDX(デジタルトランスフォーメーション)が積極的に行われたことが、ソフトウェアと通信を中心とした各企業の成長率の伸びにつながったとの見方を示している。