OpenAIが複雑なタスクを実行できる博士号レベルの「スーパーエージェント」をまもなく披露するという。1月30日に首都ワシントンD.C.で開く、政府関係者向けの非公開ブリーフィングで、Sam Altman(サム・アルトマン)氏が説明する予定とのことだ。

入門レベルの仕事を奪う可能性も

OpenAIが披露する予定のスーパーエージェントはコマンドへの応答といった単純なものではなく、自律的に行動するAIシステムだ。複雑な支払いソフトウェア、投資分析のための大量の情報処理・評価、イベント計画など複雑なロジスティックス管理などを行うことができるという。

そのようなスーパーエージェントを開発しているのはOpenAIだけではない。Meta CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が2025年までに中級レベルのエンジニアを代替できるAIが登場するだろうという予想を出している。

一方で課題もある。初期トランプ政権で首席戦略官を勤めた経験があるSteve Bannon氏は、博士号レベルの処理ができるスーパーエージェントが実現した場合、若い世代が担っている入門レベルの仕事を奪ってしまう可能性があるとの懸念を漏らしているという。一連の報道は1月19日付のAxiosが報じている。

OpenAIに対しては、AIの数学能力を測定する「FrontierMath」を開発するEpoch AIへの出資が、貢献者に公表されていなかったことで批判を受けている。これを報じたTechCrunchによると、批判はベンチマークに関する情報を優先的に受け取っていたのではないかというもの。

Epoch AI側は「(貢献する)数学者は、誰が自分たちの成果物にアクセスできるかを知る権利があった。契約上、話せることには制限がありましたが、OpenAIとの契約において貢献者への透明性は譲れない部分とすべきだった」と透明性の欠如を認めている。