The Guardianはこのほど、「End of the lines? QR-style codes could replace barcodes ‘within two years’|Retail industry|The Guardian」において、2年以内にQRコード(クイックレスポンスコード)がバーコードに取って代わる可能性があると伝えた。

  • End of the lines? QR-style codes could replace barcodes ‘within two years’|Retail industry|The Guardian

    End of the lines? QR-style codes could replace barcodes ‘within two years’|Retail industry|The Guardian

QRコードの利点

QRコードはデンソーの開発部門(現在のデンソーウェーブ)が開発したマトリックス型2次元コード(2次元シンボル)。白黒の縦縞で表現される従来のバーコード(1次元シンボル)よりも多くの情報を保持したいという要望に応えるために開発された。誤り訂正や歪みの補正機能を持ち、多少の汚れや破損にも耐えられるよう設計されている。

当初は従来のバーコードと同様に商品管理などに利用され、次第にURLなどさまざまな文字情報を保持する目的で使用されるようになった。近年ではスマートフォンを用いた決済に利用されるなど世界中に普及しており、その利用の幅は広がりを見せている。

The Guardianによると、英国に本社を置く小売企業の「Tesco」は、QRコードを商品管理に使用し始めたという。販売期限をコードに埋め込むことで生鮮食品の廃棄量を削減したり、動的な値段設定(時間経過で値引き)を可能にしたりといった取り組みを進めているとされる。

QRコードがバーコードに取って代わる可能性

従来のバーコードおよび新しいQRコードの標準化と関連活動を行う国際機関「GS1」の社長兼最高経営責任者を務めるRenaud de Barbuat氏は、QRコードの将来像について次のように述べている。

私たちは2027年までに世界中のすべての小売業者が次世代バーコード(QRコード)を読み取れるようにする目標を掲げている。これは実現可能だと考えている。小売業者が販売時点情報管理システム(POS: Point Of Sales)を(QRコードに)適応させるにはある程度の投資が必要だが、すでに順調に進んでいる。

これに対し、Electronic Reading Systemsの営業部長を務めるSteven Gibbons氏は次のように述べている。

従来のバーコードが過去のものになるということはまだ事実ではないと思う。なぜなら、すべての人が新しいQRコードを使用する必要はないからです。

生鮮食品など時間管理や生産地情報などを埋め込む必要がある商品にQRコードを使用することには合理性がある。しかしながら、ロウソクのように追加情報を必要としない商品は従来のバーコードで十分だとし、Gibbons氏はQRコードがバーコードに取って代わる必要はないと主張している。

しかしながら、QRコードには誤り訂正や歪みの補正機能があり、パッケージの変形による読み取り不良をある程度軽減できる。2027年までに完全な移行は困難かもしれないが、移行してはならない理由は特になく、いずれQRコードがバーコードに取って代わるものと推測されている。