慶應義塾と三井住友銀行は12月25日、産学連携協力・スタートアップ創出支援に関する協定を締結したことを発表した。両社は、今回の協定の締結を踏まえ、独創的な研究開発の支援や産業育成を共同で推進し、新たなイノベーションの創出やスタートアップ・エコシステムの構築を目指し、社会課題の解決を進める。

三井住友銀行がスタートアップ企業向けに提供していた独自のソリューションを、大学の基礎研究やシーズに応用し、連携が期待される事業会社のニーズと結びつけるとともに、スタートアップの創出と促進を図る連携体制を構築することは、初めての取り組みとなる。

協定締結の背景

慶應義塾では、「全社会の先導者たらんことを欲するものなり」という創立者 福澤諭吉の志に基づき、2018年、慶應義塾大学にイノベーション推進本部を設立。「未来のコモンセンスをつくる研究大学」を目指し、学問によって社会を豊かにし、社会からの学問への信頼を高める「学問の社会実装」と、経済発展を促進する「起業家・実業家の創生」を推進している。

また、イノベーション推進本部スタートアップ部門では、世界規模の社会課題解決ができるようなディープテックスタートアップの創出と育成支援を目的とし、2023年10月に開設した、慶應スタートアップインキュベーションプログラム(KSIP)を通じて、慶應義塾大学の研究成果の社会実装を目指す研究者・起業家への支援活動を行っている。

三井住友銀行では、三井住友フィナンシャルグループの中期経営計画において、環境問題や人権、貧困・格差等の社会課題の解決に向けた取り組みを企業経営の大きなテーマと捉えている。また、「質の伴った成長」の実現に向けて、「社会的価値の創造」を新たに経営の柱の一つに据え、顧客のビジネスモデル変革支援、あるいはイノベーションの創出や新たな産業育成を前向きにかつ力強く牽引することで、経済の成長とともに社会課題の解決、日本の再成長に貢献することを目指している。

協定の概要

主に、今回の協定では「研究成果の社会実装に向けたシーズの事業化や活性化に関する事項」「スタートアップ創出・成長促進に向けた事業サポート支援に関する事項」「スタートアップ・エコシステムの構築に関する事項」という3点の事項について相互に連携し、協力を行っていく。