クラダシはこのほど、再生可能エネルギー事業(系統用蓄電池事業など)への参入の検討を開始すると発表した。2024年8月に公開した中期経営計画で掲げた成長戦略の一環となる。
クラダシは、「ソーシャルグッドカンパニーでありつづける」をミッションに掲げ、持続的に社会課題の解決に取り組むビジネスを展開している。
中長期での成長加速を目指し、2024年7月には社内カンパニー制を導入。2024年8月には中期経営計画(2025年6月~2027年6月期)を公表し、今後の成長戦略として、「EC事業の拡大」「サプライチェーンにおける機能拡張」「新規事業(M&A含む)による非連続な成長」の3本柱を掲げている。
この内の「新規事業・新規領域」として、12月18日開催の取締役会において、再生可能エネルギー事業への参入検討を決定した。
▲再生可能エネルギー事業(系統用蓄電池事業など)参入検討の背景
現在、日本の部門別CO2排出量約10億トンの内41%が電力によるものであり、2050年カーボンニュートラル達成に向けて、温室効果ガスの排出量が少ない再生可能エネルギーへの切り替えが必要となっている。一方で、風力・太陽光発電などの再生可能エネルギーは発電時間が限定的であり、天候に影響を受ける点で不安定であること、太陽光発電の普及による昼の発電量と需要が合わず使われない電力(ロス)が生じていることが課題となっている。
これらの課題を解決するために、系統用蓄電池を活用し、電力系統に直接接続することで市場を通じた調整力や供給力の提供が必要とされていることから、系統用蓄電池事業などの再生可能エネルギー分野への参入検討を開始したとしている。
新事業においては、再生可能エネルギーの導入拡大と電力需給の安定化を目指し、系統用蓄電池による蓄電所の建設・運用を検討しているとし、事業モデル、スキーム、事業開始のための費用などの詳細は決定次第、速やかに開示するとともに、参入検討を進めるため、2025年1月1日付でグリーンインフラカンパニーを発足する。
▲再生可能エネルギー事業への参入意義
クラダシは、社会課題の解決を「食」だけにとどめず、将来的に「食+再生可能エネルギー」へと事業領域を拡張し、ミッションの実現に取り組んでいくとし、ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」を中心とした既存事業の成長を推進するとともに、新規事業の構築・加速によって、非連続な成長を目指す考えを示した。