NTTデータグループは12月17日、システム開発において、顧客が提示する提案依頼書(RFP)の記載内容に対するリスク抽出業務に生成AIの適用を今年10月から開始し、対応に係る時間を約6割短縮できることを確認したと発表した。

この実績を踏まえ、12月より国内の顧客向けの案件のリスク抽出業務で生成AIを本格運用する。

システム開発における提案内容向上について生成AI活用の検証実施

NTTデータグループでは、2023年度から、システム開発における提案内容の品質向上を目的としたドキュメントチェックへの生成AI活用に関する技術検証を実施してきた。

この技術検証では、滋賀大学の課題解決プロセスに関する知見を活用することで、品質保証に特化した生成AIとして有識者ノウハウを盛り込んだチェックを実現したという。

また、NTTデータグループは生成AI活用コンセプト「SmartAgent」に基づき、新たな生成AIサービスの開発やシステム開発への適用を進めている。

「SmartAgent」は、利用者の指示に応じて有識者のノウハウを持つAIエージェントが自律的に対象業務のタスクを抽出・整理・実行することで、利用者とAIが協力して業務を遂行していくもの。今回の取り組みはそのうちの品質保証に特化した生成AIを活用した取り組みとなる。

RFPのチェックに生成AIを適用するメリット

RFPのチェックに生成AIを適用するメリットとしては、「提案品質の向上」「属人化の解消」「期間短縮」があるという。

同グループが20年間続けてきたチェックのノウハウを生成AIに蓄積して学習させ、活用することで、常にブラッシュアップされた観点でのチェック実施が可能となる。

また、生成AIに有識者の知識やノウハウを取り込んで継承することで、特定の有識者に依存しない一定品質のチェックが実現される。