フリマアプリ大手のメルカリは12月17日、中古車取引の強化を目的に、中古車の検査や配送を手掛ける専門業者のゼロと業務提携したと発表した。個人間売買における車の出品や購入へのハードルを取り除き、ユーザーが安心安全に取引ができる環境の構築を目指す。
メルカリは今回の業務提携を通じて、車の売買に伴う名義変更といった煩わしい手続きをゼロが代行する「おまかせクルマ取引」の提供を開始する。車両の検査、引き取りや納車まで、一貫して支援する。
購入された車は、専門の検査員が出品者の入力内容と実際の車両状態に相違がないか、およびエンジンに異音がないかなど、車の状態を総合的に評価した上で納車される。また、個人情報に関連する手続きをすべて専門業者が行うため、ユーザー同士は「匿名」での取引を行うことが可能だ。
帝国データバンクの調査によると、中古車販売市場は2022年度に過去最高となる3.9兆円となるなど中古車人気を追い風に需要が拡大している。その一方で、中古車の個人間売買については、さまざまなアプリやWebサービスを通じて取引が可能であるにも関わらず、普及率は高くないのが現状だ。
メルカリの調査では、車の個人間売買について、車を売る場合には「購入者が名義変更を行ってくれるか不安」(57.2%)、購入する場合には「掲載されている情報が正しいか不安 」(51.9%)などの声が上がった。
メルカリが提供を開始する新サービスは、まず東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、宮城県、愛知県、大阪府、福岡県の1都1府6県から出品された車を対象とする。対象商品の購入は一部の離島や災害地域および、冬期輸送制限エリアを除きすべての地域で利用できる。
取引開始から完了までは、受け渡しの調整や検査状況によって前後するが、約1カ月で完了する。また、車の検査で問題があった場合、専門業者の検査結果をもとに購入者は取引をキャンセルすることもできるとのこと。
サービス利用料は全国一律で21万円(税込)。商品の販売価格に含まれ購入者が支払う。また、メルカリは車の本体価格の10%を販売手数料として出品者から徴収する。