三菱電機は12月16日、DX(デジタルトランスフォーメーション)人材の育成強化を目的とし、グループ内の従業員を対象に体系的な育成を実施する機関「DXイノベーションアカデミー」を2025年4月1日に設立することを発表した。

DXイノベーションアカデミーの概要

今回設立するDXイノベーションアカデミーは、DX人材のスキルセットに基づいて、それぞれに必要な技術、知識、マインドセットを集中的に習得し、実践に生かすための学びの場をグループ内へ提供する。

グループ内の全従業員を対象とした講座を設けるほか、社内外の講座を組み合わせた段階的な学習体系を整備することにより、既存のDX関連技術保有者やDX関連業務従事者だけでなく、他業務からの職務転換者や新規入社者など、個人の保有するスキルや知識レベルに応じた幅広い育成を実現するとのことだ。

また、最新技術の集中的な獲得と実践、新たな人材交流の確立などを狙いとして、早稲田大学をはじめとする教育機関との産学連携も進める予定。三菱電機グループは多様な人材が技術と創造力を発揮して新たな価値創出の取り組みを加速するとしている。

  • DXイノベーションアカデミー全体像

    DXイノベーションアカデミー全体像

DXスキルセットに基づき実業務に直結した集中的な学習コースを設定

三菱電機は、グループにおけるDX関連の業務を顧客との関わりの度合いや求められる役割に応じて7つに分類し、これらのスキルセットに対応する7種類の学習コースを整備。社内で保有する約50のDX関連講座を中心に、社外の講座も加えてパッケージ化した。

事業DXだけでなく業務DXや製造DXを含む教育体系を7つのコースに集約した。DX関連技術保有者および DX関連業務従事者向けの「実践講座」や「アドバンス講座」に加え、他業務からの職務転換者や新規入社者など向けの「初級講座」も設置し、受講者の保有するスキルや知識レベル、職種に応じた実業務に直結する学習体系を提供する。

また、全従業員向けに提供する「DXリテラシー講座」により、DXに関する一般的で幅広い知識習得を促すことに加え、DXに関する事業推進方針を共有することで、DXの必要性や考え方を全従業員が理解しグループ一体となってDXを推進する風土の醸成を狙う。

育成プログラムと連携した認定制度を導入

講座の修了状況や業務実績などに応じて、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの4段階のレベル認定制度を導入。DXに関わる個人の知識とスキルの力量を可視化し、レベルに応じた適切な人材配置につなげる。また、人材の育成を進めるとともに従業員のモチベーション向上やスキルアップの動機付けを促進する。

産学連携による人材育成

三菱電機は、研究開発などを目的とした従来の産学連携による人材育成や交流に加え、DX人材育成に特化した新たな連携を早稲田大学と開始する。同社のDX事業をけん引するリーダーの育成を目的に、同大学教育プログラム内に三菱電機向けコースを設置し、集中的に最新技術を獲得し実践する。また、DXに関する講演会や研究会、インターンシップなどを通じた相互交流や協創活動により、新たなイノベーションの創出を促進する。