ベネッセコーポレーションは12月5日、2025年4月より高等学校(中高一貫校含む)向けフルクラウド型校務支援システム「ベネッセ校務クラウド」の提供を開始することを発表した。販売価格は、生徒1人あたり年額3960円で、別途で基本サービス料が発生する。

「ベネッセ校務クラウド」サービス概要

同サービスでは、これからの学校ニーズに応える高等学校向け校務支援システムとして、高等学校における主要な校務である「教務管理(成績処理、出欠管理、時数管理)」「学籍管理(指導要録)」「保健管理(健康診断票、保健室来室管理)」などをフルクラウド環境で統合して処理できる機能を提供する。

教務管理では、フルクラウド型の利点を生かした機能としてベネッセが高等学校向けに提供する模擬試験「進研模試」など各種サービスとの連携も予定している。

サービスの開発は、高いセキュリティが求められる医療分野におけるサービスの開発、運用実績があるテクマトリックスの校務支援システム「ツムギノ」をベースに、高等学校の校務ニーズを理解するベネッセによるカスタマイズを加える形で進められた。各学校における販売や導入、および活用支援についてはベネッセが行う。

  • 「ベネッセ校務クラウド」のイメージ

    「ベネッセ校務クラウド」のイメージ

同サービスの提供を通して、ベネッセでは、全国の高等学校や中高一貫校に対して、日々の校務の業務効率向上と負担の軽減に加えて、学校が保有・管理するさまざまな校務データを可視化して分析・活用するための安心・安全な環境を提供していくとのこと。

サービスの特徴

同サービスでは、フルクラウド型の利点を生かし、ベネッセが高等学校(中高一貫校含む)向けに提供する「進研模試」などの模擬試験や、各種サービスの学習データとのデータ連携を予定している。

校内の定期テストなどと併せて校務支援システム内で学習履歴を一元管理することで、進路面談などの際に生徒をより多面的に把握し、指導できるようになるほか、学校全体でさまざまなデータを組み合わせた分析が可能になる。

進研模試などのアセスメントを提供してきたベネッセの知見を活かして、データの連携やダッシュボードでの可視化、分析などの活用の支援を行う。さらに学校などの欠席者・感染症情報システムとの連携や、健康情報、就学支援情報等の連携対応も予定しているという。

また生徒や保護者を含むすべての利用者は、スマートフォンアプリを含むさまざまな端末環境で利用可能。Microsoft Entra IDやGoogle Workspace for Educationとのシングルサインオン機能を実装しているため、ログインに手間取ることなく、日常のコミュニケーションや出欠連絡をスムーズに行うことができる。

入力された情報はリアルタイムで通知されるだけでなく、必要に応じて先生が承認を行った上で、さまざまな書類に反映されるため、先生の業務効率化につながるという。

さらにシングルサインオンや2要素認証等の認証機能を備えており、データ暗号化、操作ログ保存を行っているほか、細かな権限設定や、ファイル入出力のための承認フローの設定も可能。校務系と学習系のネットワークを統合した環境での利用や、教職員のロケーションフリーでの利用においても、万全のセキュリティを提供するとのことだ。