NECは11月20日、図面・仕様書・部品表などの製品技術情報を一元管理するPLM(Product Lifecycle Management:製品ライフサイクル)ソフトウェア「Obbligato(オブリガート)」に生成AIとの連携機能を搭載した「Obbligato R3.6」を2025年4月より提供開始することを発表した。生成AI連携機能の月額利用料は10万円(税別)~。なお、販売目標として今後3年間で100社を目指す。

  • Obbligatoのイメージ図

    Obbligatoのイメージ図

Obbligato R3.6の概要

Obbligato R3.6では、PLMソフトウェアと生成AIとの連携により、生成AIが過去の製品開発を通じて蓄積された大量の技術情報から適切な情報を効率的、かつ高精度に検索・提供する。これにより、開発・設計に係る業務の効率化と技術伝承の円滑化を推進する。

さらに、製造業DX(デジタルトランスフォーメーション)に向けて、BOM(Bill of Materials:製品構成表)やBOP(Bill of Process:工程表)など、ものづくりの基準情報を部門横断で共有・活用するPLM戦略が企業にとって重要になっており、その核となるマルチCAD管理や統合BOM機能を強化し、企業競争力の向上に貢献する。

同社は製品情報共有基盤PLMであるObbligatoと生成AIの連携により、若手が熟練者に相談するように、人とAIが対話しながら膨大なデータから適切な情報を効率的に見出すことで、技術伝承を促進することを目指す。

また、3DCADデータ管理や、統合BOM機能の強化により、環境変化に迅速・柔軟に対応できるものづくりの現場力の向上に貢献していく構えだという。

Obbligato R3.6の機能強化ポイント

Obbligato R3.6の機能強化ポイントとしては、以下の3点が挙げられている。

生成AI連携により技術ドキュメントを効率的・高精度に検索

ObbligatoとLLM(大規模言語モデル)の連携により、過去の製品開発を通じて蓄積された技術ドキュメントをLLMが効率的かつ高精度に検索し、設計者の質問に的確な回答を提示する。

これにより、AIが人の相談相手となり、対話形式で曖昧な情報から適切な情報にたどり着き、設計業務における必要な情報の探索時間を短縮し、本来の設計業務や設計検討に時間を使うことができるようになるという。

また、連携するLLMは、高速で高い日本語性能を有するNEC開発の「cotomi」と、Microsoft Azure OpenAI Serviceの「GPT」モデルから選択が可能。

  • 生成AI連携機能のイメージ

    生成AI連携機能のイメージ

3Dデータ管理のマルチCADおよび3Dビューに対応

3DCADデータ管理については、設計者の利便性と、全社レベルでのデータ利活用や運用面の効率化という観点から、設計中のデータはCADデータ管理用PDM(Product Data Management:製品データ管理)、全社で共有すべき情報はObbligatoに分けて管理し、両ツールを連携させた運用を推奨している。

今回、CAD用PDM連携コネクタとして標準サポートしているSOLIDWORKS PDMに加えて、PLMジャパンの「PLMconsole xCAD(xCAD)」を標準サポートする。

xCADはCATIA V5、NX、Creo Parametric、SOLIDWORKS、Autodesk Inventor / AutoCAD、iCAD SXに対応し、マルチCADデータ管理が可能。xCADとObbligatoの連携により、CAD~PLM~関連システムを連携することで、エンジニアリングチェーンの分断で起きていたタイムロスや伝達ミスを削減し、製品のタイムリーな市場投入を実現する。

さらに、3Dデータ活用の支援機能として、BOMと3D Viewを連動して双方向のハイライト表示が可能になる。これにより3Dイメージの閲覧性を向上し、設計部門のほか、生産技術や製造などものづくりに関わるあらゆる部門の業務効率化や品質向上に寄与する。

また、複数の3DCADの管理やBOMと3Dモデルとを連動したビューイング機能により、取引先OEMメーカーごとに異なるCADを扱う自動車部品業などでの利用を促進する。

  • マルチCADデータ管理と3D ビュー機能のイメージ

    マルチCADデータ管理と3D ビュー機能のイメージ

統合BOMのさらなる機能強化による生産性の向上

設計BOMと生産BOMでは構造が異なり、設計変更時に製造側での生産BOMへの変更の適用やBOMのメンテナンスは、手間が多く、ミスが起きやすいという課題がある。

この課題に対して、設計変更の生産BOM自動反映機能により、設計部門での設計BOMの変更を製造部門が作成する生産BOMに対して、品目情報および構成情報の変更が自動反映されるようになる。

また、変更情報適用時の生産BOMの状態によっては、品目情報のみを自動反映し、それ以外はアラート表示させるなど、複雑な運用を考慮している。

同機能は、Obbligatoの統合BOM機能(用途別BOMの統合管理)を活用しているさまざまな顧客の導入ノウハウから標準機能としてリリースされる。BOM自動反映による設計部門と生産部門の連携効率化および品質向上を実現するという。

  • 設計BOMから生産BOMへの自動反映機能イメージ

    設計BOMから生産BOMへの自動反映機能イメージ