富士通とSAP Fioneer(エスエーピー・ファイオニア)は11月18日、保険業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援を目的とするパートナーシップ契約を締結したことを発表した。

この契約に基づき、富士通はグローバルな業界標準で保険商品や契約管理といった保険の基幹業務をパッケージ化したクラウドベースプラットフォーム「Cloud for Insurance」の日本向け商品を開発するなど、SAP Fioneerと商品企画・開発・マーケティングにおける連携を強化する。

また、富士通はユーザー企業を含む実証実験により「Cloud for Insurance」日本市場版の有用性を検証し、2026年3月までにサービスを提供開始する予定。

近年は、保険会社が競争優位性を確保するためには、既存システムの老朽化やブラックボックス化、IT人材の不足といった問題への対応や、コンプライアンス強化に向けたDXの取り組みが不可欠とされる。

国内の保険業界の企業は「Cloud for Insurance」の日本市場版を活用することで、商品管理、見積もり、引き受け、契約管理、保険金支払いなどの共通的な業務システムを標準化できるとのことだ。これにより、IT人材の安定的な確保や品質向上を実現しながら、新規商品開発や販路開拓など付加価値が高い領域へ人や投資などの資源を集中できるようになる。

両者はこの商品を保険業界の業務やデータ連携のデファクトスタンダード(事実上の標準)として展開することで、保険会社の商品、チャネル、プロセスの変革やガバナンス強化を推進することを目指すとしている。