デリバリーサービス「Wolt」を展開するWolt Japanは10月21日、広島・呉市にてデリバリー商品を店頭と同じ価格で提供する実証実験を開始した。サービス提供エリア広域で、デリバリーの商品価格を店頭と同じ価格で提供する取り組みは、フードデリバリー業界でも初めての試みとなる。店頭と同じ価格で提供することで、まだ「Wolt」を利用したことのない新規ユーザーからの利用を目指す。
今回の実証実験には、広島・呉市内のWolt加盟店約70店が参加する。呉市エリアの消費者は自宅にいながら、「Wolt」のアプリやウェブサイトから、実証実験に参加する市内のレストラン、ベーカリー、スーパーマーケットの料理、食料品、日用品などを、従来のデリバリー価格より安い店頭と同じ商品価格で購入可能だ。注文から約30分で商品が自宅に届く。
▲実証実験の実施エリア
デリバリーサービスに掲載する商品の価格は各店舗が設定しており、店頭で購入できる商品価格よりも約4割程度高く設定しているのが一般的だ。
Wolt Japanは物価高騰による家計の負担増加や、運転免許を返納した高齢者をはじめとする買い物に困窮する人が増加傾向にあるという社会課題が顕在化する中、デリバリーをより利用しやすい環境を作ることで、消費者をサポートしようと、デリバリー商品価格を店頭と同じ商品価格で提供する実証実験を開始することにしたという。
▲デリバリーをより利用しやすい環境を作るのが狙い
「消費者の中でデリバリーサービスを利用している人々はまだ一部と理解している。今回の取り組みによってデリバリーサービスを試してみようと思われる人が増え、利用が増えていくことを期待している。利用するお客さまが増えることが『Wolt』にとっても店舗さまにとってもメリットとなる。消費者はよりデリバリーが利用しやすくなるので、三方よしの取り組みになればと考えている」(Wolt広報担当)と話す。