ソウルドアウトと博報堂、新会社「ECOTONE」設立 ウェルビーイングの媒体「Wellulu」軸に事業の共創支援も

ソウルドアウトはこのほど、博報堂とソウルドアウトの連結子会社であるメディアエンジンと共同で、ウェルビーイング産業の共創を目指してプラットフォームビジネスを行う新会社ECOTONE(エコトーン)設立し、11月1日より事業を開始すると発表した。多様な生活者が暮らしの中でウェルビーイングを実現できるような共創体験・価値を提供するプラットフォームビジネスとして、メディア事業・インキュベーション事業・コミュニティ事業に取り組む。

ソウルドアウトグループは、地方を含む全国の志ある中堅・中小企業の成長をデジタルマーケティング、ソフトウェア、メディア制作・運営、DXの領域で支援。全国に23の拠点を持ち、対面サポートを重視する地域密着型で地方中小企業の課題やその独自性を理解し、それぞれにマッチしたソリューションを提供している。

このほど、博報堂と、ソウルドアウトグループの新規事業であるメディア事業を展開するメディアエンジンと共同で、ウェルビーイング産業の共創を目指してプラットフォームビジネスを行う新会社ECOTONE(エコトーン)設立し、11月1日より事業を開始する。

今回、ソウルドアウトは会社設立に出資し、事業連携はメディアの立ち上げと運営を強みとするメディアエンジンが担う。また、社外取締役として、慶應義塾大学医学部教授の宮田裕章氏、クリエイティブ・システム開発研究所代表取締役社長、元三菱UFJ信託銀行新規事業担当執行役員の石崎浩二氏が経営参画する。

コロナ禍以降、ウェルビーイングはますます注目されており、世界中のウェルビーイング関連の市場(マインドフルネス・生活習慣病予防・介護領域など)は800兆円規模となっており、成長率も8%以上になっていると言われている。

博報堂の新規事業開発組織「博報堂ミライの事業室」は、社会課題の解決につながるビジネス創造を展開しており、生活者1人ひとりの生き方につながる「ウェルビーイング領域」に着目。2021年11月にウェルビーイング分野での研究や事業創造に活用する診断指標「生活者ウェルビーイング21因子(現:主観的Well-Being 21因子)」を開発した。その指標をベースに、メディアエンジンが2023年3月にウェルビーイングを実現するための取り組みをしている「人」「企業」「街」などにフォーカスした情報を発信するメディア事業「Wellulu(ウェルル)」を立ち上げ、実証実験を実施してきた。

今回の新会社設立により、ウェルビーイングの知見やネットワーク力を持つ博報堂と、全国の中堅・中小企業のデジタル支援に取り組み、密なコネクションを強みとするソウルドアウト、メディアの立ち上げと運営を得意とするメディアエンジンで、多様な生活者が暮らしの中でウェルビーイングを実現できるような共創体験・価値を提供するプラットフォームビジネスとして、これまで進めてきた「Wellulu」を軸としたメディア事業・インキュベーション事業・コミュニティ事業に取り組む。

初年度は、「Wellulu」にてウェルビーイング実現のための新しい生き方や働き方を提案する専門性の高いメディア運営を行う。企業の人的資本経営の推進や価値向上につながる「人材採用」「インナーブランディング」「CSR広報」といったテーマを扱いながら、ウェルビーイングに特化したメディアならではの情報発信を実施していく。イベントやSEO対策のコンサルティング、ワークショップや、ウェルビーイング関連の事業支援なども行うとしている。

中期的には、メディア事業で得られた知見・データ・ネットワーク等を活用し、大企業とスタートアップのアクセラレーションによるウェルビーイング関連の事業共創を行うインキュベーション事業や、ウェルビーイングを実現する社会づくりに参画したい生活者や企業をつなぎ、共創活動を生み出すコミュニティ事業にも取り組んでいく予定だ。

新会社の社名である「エコトーン」は、もともと生態学において使われる言葉であり、陸域と水域、森林と草原などのように、異なる環境が連続的に接している場所を指す。異なる生態系が接する境界線であり、移行帯や推移帯とも呼ばれ、生物の多様性が高いことで知られている。

1人ひとりの人間が、自分と向き合い、多様な人たちの中で互いが互いを受け入れ、ウェルビーイングな共創社会を実現していくための新たなイノベーションが生まれる場所になってほしいとの願いが込められているとし、生活者同士、コミュニティ同士、さまざまな価値同士など、その ”あわい”から、新しいビジネスや価値を創造するコミュニティ・プラットフォームになっていきたいとの考えを示した。