琉球朝日放送とNECは10月4日、番組制作に関わる働き方改革や多言語コンテンツ拡充の実現に向け、AIアナウンサーを活用した番組制作の取り組みを開始することを発表した。
具体的には、NECが放送原稿を基にアナウンス映像などを自動的に制作するシステムを構築し、琉球朝日放送が同システムを活用して、地上波での放送およびインターネットでの配信を2025年1月頃から開始予定。
なお、同事業は琉球朝日放送が沖縄県の「令和6年度沖縄DX促進支援事業補助金」の交付を受け、NECとともに実施するもの。今回のAIアナウンサーにはDeepBrain AIのAIアバターソリューションを利用する。
取り組みの概要
地方放送局では、アナウンサーや番組制作の専門的なスキルを持つ人材の慢性的な不足が課題となっており、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進による働き方改革が求められている。また、定住外国人や訪日外国人に向けた、多言語でのニュースや災害情報、観光情報などの発信もますます重要になってきている。
そのような背景のもとで開始された今回の取り組みでは、AIアナウンサーを活用した番組制作システムを構築する。今回利用するAIアナウンサーは、80ヶ国以上の言語に対応し、入力されたテキストに対して自然な形で口元を動かし、原稿を読み上げることが可能。
これにより、制作者は原稿のテキストデータを用意するだけで、アナウンス映像を制作することができるようになる。多言語コンテンツを制作する場合も、機械翻訳を活用することで日本語コンテンツとほぼ変わらない作業時間で映像を制作することができる。
今後、琉球朝日放送ではAIアナウンサーの活用により、働き方改革の推進や多言語コンテンツの制作に取り組むとともに、多様なコンテンツの制作によるビジネス機会の拡大を目指す。また、NECはAIアナウンサーなど最新のデジタルテクノロジーの活用により、放送局のDX推進を支援する構え。