不正注文検知サービスを提供し、安全なネットショッピングのインフラづくりに貢献するかっこはこのほど、消費者のクレジットカード不正利用被害に焦点を当てた調査を実施し、その結果を公開した。クレジットカード不正利用による被害額は1000円~3万円未満が全体の47.1%を占め、10人に1人が補償を受けられない状況だったことなどがわかった。
かっこは、オンライン取引における「不正検知サービス」を中核サービスとして位置づけ、不正注文検知サービス「O-PLUX(オープラックス)」、金融機関や会員サイトにおける情報漏洩対策の不正アクセス検知サービス「O-MOTION(オーモーション)」や、フィッシング対策サービス等を提供している。
これまで「EC事業者実態調査」を通じて、EC業界における不正被害の実態や対策を明らかにしてきた。このほど、新たに消費者のクレジットカード不正利用被害に焦点を当てた調査を実施した。調査実施期間は2024年9月で、調査対象はネットショッピング利用者でクレジットカード不正利用被害にあったことがある全国の20歳以上の男女400人。
クレジットカード不正利用の発覚した経緯をたずねた問い(複数回答)では、「カード会社からの連絡」(44.3%)がもっとも多く、「利用明細の確認」(41.5%)が僅差で続いた。3番目に多かったのは、「カード情報を入力した覚えのないサイトでの利用履歴」(22.0%)だった。
【どのようにクレジットカード不正利用が発覚しましたか?(複数回答)】
カード会社は、過去の犯罪データや異常な購買行動に基づき、不正取引を即時に検知する仕組みを構築するなど、24時間365日体制で不正利用を監視しており、不審な取引を確認した場合は速やかに電話やメールで連絡を行っている。また、利用明細の確認は、自ら不正利用を早期に発見する手段として有効であり、日々の確認が推奨されている。
クレジットカード不正利用の被害額は、「1万円~3万円未満」が25.3%ともっとも多く、「1000円~1万円未満」が21.8%で続いており、不正利用の被害額は1000円~3万円未満が全体の47.1%を占める結果となった。年代別に見ても、多少の違いはあるものの同じような傾向が確認できた。ただし、この被害額はカード保有者が自ら被害に気づいた場合の金額であり、実際にはさらに多くの被害が潜在している可能性も考えられるとしている。
【クレジットカード不正利用の被害額は合計でいくらでしたか?(単一回答)】
<年代別>
クレジットカードの不正利用が保証されたかをたずねた問いでは、「補償が受けられなかった」と回答した人が13.3%にのぼった。その理由としては、不正利用発覚から60日以上経過していたケースや、カード券面に署名がなかったケースが多く挙げられた。これに対しかっこは、消費者は早期発見の重要性や署名の必要性、さらに補償申請には警察への被害届が必要であることの認識が大切であるとした。
【クレジットカード不正利用は、補償されましたか?(単一回答)】
行っている不正利用対策についてたずねた問い(複数回答)では、「カード明細の確認」が66.0%と最も多い結果となった。年代別に見ても、どの年代でももっとも多い回答を得た。2番目には「利用通知サービスの登録」(42.8%)、3番目には「怪しげなサイトではカード情報を入力しない」(37.0%)が続いた。
【どのようにクレジットカード不正利用が発覚しましたか(複数回答)】
<全体>
<年代別>
国が推奨する「EMV3-Dセキュアの登録」においては、20~40代の約30%が登録している一方で、60代以上はわずか16.3%にとどまっており、高齢層における「EMV3-Dセキュアの登録」の浸透が課題になっていることが推測される。
2023年のクレジットカード不正利用による被害額は過去最高の540億円を突破し、不正被害がますます身近な問題となりつつある。
今回の調査結果を受け、かっこは、基本的にクレジットカードの不正利用被害は補償されるものの、今回の調査では10人に1人が補償を受けられていないケースが存在することが明らかになったとし、不正利用への対策としてカードの利用明細の定期的な確認は多くの人が取り組んでいる一方、補償の申請期限を把握することやカードへの署名といった基本的な対策が十分になされていないことが課題になっているとした。
今回の調査結果を通じて不正被害の実態をさらに深く分析し、広く情報を発信することで、消費者の不正対策への意識向上に努めていくとしている。EC事業者に対しても、継続的な調査と分析を行い、具体的な対策・支援を提供することで、事業者と消費者の双方にとって安心・安全なオンライン取引のインフラを構築し、不正撲滅に取り組んでいく考えを示した。