9月26日から29日まで、幕張メッセでは「東京ゲームショウ2024」が開催された。

東京ゲームショウは、1996年にスタートして以降、2024年に28周年を迎えた世界でも有数の規模を誇るゲームイベント。国内外のゲーム関連企業が一堂に会し、ゲームハード・周辺機器・サービスの展示、これからリリースするゲームタイトルの先行試遊などが展開される。

2024年は「ゲームで世界に先駆けろ。」をテーマに、44の国と地域から985の企業と団体が出展。国内出展社数が450社、海外出展社数が535社でいずれも過去最多となった。

本稿では、スマホアプリでは教育業界初の東京ゲームショウ出展となったベネッセのゲーム型英語学習アプリ「Risdom(リズダム)」について紹介する。

  • 左からSEGA XDの荒井登氏、ベネッセコーポレーション 経営企画推進本部 新規事業開発部 インキュベーション課 杉浩輝氏、石田洋輔氏

    左からSEGA XDの荒井登氏、ベネッセコーポレーション 経営企画推進本部 新規事業開発部 インキュベーション課 杉浩輝氏、石田洋輔氏

ゲーム型英語学習アプリ「Risdom」

Risdom(リズダム)は、ベネッセコーポレーションとSEGA XDが共同開発した「ゲーム×学習」のサイクルで英語学習を楽しく習慣化できるスマホアプリだ。

  • Risdomのイメージ

    Risdomのイメージ

一見すると、育てたキャラで敵を倒す一般的なリズムゲームのスタイルだが、それらのゲームと最も異なるポイントは「勉強をすればするほどキャラクターが強くなる」という点だ。

通常のスマホゲームでは、キャラクターの育成には「課金」もしくは「やりこみ」が必須とされており、お金をかけることのできない学生は「長時間ゲームをしてしまう」という課題があったという。

「文部科学省が2022年7月に発表した『全国学力・学習状況調査』では、2008年から2022年にかけて、小中学生の平日のゲーム平均利用時間が約2倍になっていることが分かっています」(石田氏)

  • 文部科学省が2022年7月に発表した「全国学力・学習状況調査」

    文部科学省が2022年7月に発表した「全国学力・学習状況調査」

このゲームをしている時間を「勉強」の時間に置き換えることができないか、という発想のもと開発されたのがRisdom(リズダム)だ。

  • スマホゲームのモデルを変える

    スマホゲームのモデルを変える

勉強としての面白さとゲームとしての面白さの両立

ベネッセの「教育」の知見とSEGA XDの「ゲーム」の知見を掛け合わせることで、本格リズムゲームの中で自然に英検5級~1級レベルの語彙力・文法力を身に付けることができる。なお、同アプリは小学生から大人まで一貫してずっと使用できるということを目指して作られており、単語・文法・リスニングという3つのカテゴリーから英語を学べる。

「このゲームの中で1番こだわったのは『勉強としての面白さとゲームとしての面白さの両立』です。最初、社内では『もう少し学習の要素を強くした方が良いのではないか』という意見も出ていましたが、ゲームとしての面白さを妥協したらユーザーは離れて行ってしまうのではないかと考え、現在の形として完成させました」(石田氏)

  • 勉強としての面白さとゲームとしての面白さの両立を目指して作られた

    勉強としての面白さとゲームとしての面白さの両立を目指して作られた

また、ゲームとしての完成度を上げるため、商品開発には中高生を中心とする「Risdom開発室」を発足し、5000人以上のモニターメンバーと一緒に開発した。

なお、今回紹介されていたRisdom(リズダム)は、2021年度から導入されているベネッセグループ従業員全員を対象とした提案制度「B-STAGE」の受賞企画で、ベネッセとしては初めての社員発案の新規事業としてスタートしたもの。

現在は英語のみのゲームとなっているが、今後はベネッセの教育分野の知見を活かしてさまざまな教科への展開も視野に入れているという。

展示会では、Risdom(リズダム)のデモンストレーションが用意され、子どもたちが楽しく英語を学ぶ機会となっていた。

なお、Risdom(リズダム)の無料ダウンロードはこちらから。