JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC: Japan Computer Emergency Response Team Coordination Center)はこのほど、「TSUBAME(インターネット定点観測システム)」において、2003年から運用しているインターネット定点観測システム「TSUBAME」の観測グラフ公開を9月9日をもって休止すると発表した。

  • TSUBAME(インターネット定点観測システム) - JPCERT/CC

    TSUBAME(インターネット定点観測システム) - JPCERT/CC

インターネット定点観測システム「TSUBAME」とは

インターネット定点観測システム「TSUBAME」は、JPCERT/CCが2003年から運用しているトラフィック監視システムのこと。国内外のインターネット上に観測用センサーを分散配置してワームの感染活動、弱点探索のためのスキャンなど、セキュリティ上の脅威となるトラフィックの監視を行っている。

JPCERT/CCが公開した情報によると、観測用センサーはインターネット相互接続点(IX: Internet Exchange)の近傍や、デジタル加入者線(xDSL: Digital Subscriber Line)のエッジなど、さまざまなアドレスブロックに分散配置されている。収集する主なトラフィックは、観測用センサーを宛先とするTCP、UDP、ICMPパケットとされる。TSUBAMEが収集したデータは定期的にWebサイトから公開され、緊急性の高いデータについては注意を促す情報発信が行われている。

  • TSUBAMEにより収集された単位時間あたりのポート別パケット数の年間推移グラフ - 引用:JPCERT/CC

    TSUBAMEにより収集された単位時間あたりのポート別パケット数の年間推移グラフ 引用:JPCERT/CC

今後の予定

今回の発表で休止とされたものは観測グラフ公開のみで、TSUBAMEシステム自体は稼働を続ける。JPCERT/CCは観測データをより利活用しやすい形で提供できるよう検討中としており、具体案が固まり次第、再開時期などが公開されるものとみられる。