大日本印刷(以下、DNP)と、企業のダイバーシティ&インクルージョン推進を支援するチェンジウェーブグループは9月5日、「仕事と介護の両立支援」の領域において資本業務提携を8月に締結したことを発表した。
国内の少子高齢化による労働力不足や企業の人的資本経営の高まりを背景に、仕事をしながら家族などを介護する「ビジネスケアラー」の増加が社会課題となる中、両社は資本業務提携を通じて「仕事と介護の両立」や「人的資本経営の支援」に関わる事業開発を推進する。
資本業務提携の狙い
経済産業省は2030年時点でビジネスケアラーが約318万人になると推計している。介護による労働者の生産性低下が日本全体に与える経済的損失額は約9兆円になるとの試算もあり、「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」が3月に公表された。
さらに、2025年4月施行予定の「改正育児・介護休業法」では、企業に対して仕事と介護の両立支援制度に関する情報提供や相談窓口の設置など、雇用環境の整備を求めている。
両社はこうした社会課題の解決に向けて、今回の協業を開始する。独自のセキュリティ技術を活用してデータ流通事業を展開するDNPと、仕事と介護の両立支援プログラム「LCAT(エルキャット:Lyxis Care Assistant Tools)」を中心に大手企業のビジネスケアラー支援を手掛けるチェンジウェーブグループが、互いの強みを掛け合わせてビジネスケアラーが抱える課題を解決するソリューションを開発する。
主な業務提携の概要
両社は「仕事と介護の両立支援」のソリューションを共同で開発し、販売する。企業の社員に対して定期的な実態調査を行うLCATにより可視化した介護リスクに対して、ビジネスケアラーの困りごとを解決してニーズを満たすソリューション開発を目指す。
さらには、企業の人事部門向けのソリューションを共同で販売する。ビジネスパーソンの仕事と介護の両立を支援するLCATなど、チェンジウェーブグループが提供するサービスをDNPの営業ネットワークで販売することで、DNPが展開する関連製品やサービスとも連携し、関連事業の拡大を図るという。