新規事業コンサルティングのアクリオ、7つの新規事業案を公開 合計市場規模は3000億円超

アクリオはこのほど、8月7日に実施したディスカッションイベントから生まれ、特に注目を集めた7つの新規事業案を公開した。生活習慣や健康データから最適なライフスタイルを提案する「AIパーソナルアシスタント」、VR技術を活用し世界中の名所などを体験できる「次世代型バーチャルツーリズム」など、急変する社会ニーズを捉えたアイデアを挙げた。

7つの事業案は、AIやVR技術の進化、持続可能性への関心の高まり、高齢化社会の課題など、現代社会が直面するさまざまなニーズに応える革新的なアプローチであり、合計で年間3000億円を超える市場規模を持つと推定されているとし、各事業の概要と背景にある社会のニーズ、市場予測を紹介した。

1つ目の「AIパーソナルアシスタント」(推定売上:年間500億円)は、個人の生活習慣や健康データを分析し、最適なライフスタイルを提案するAIアシスタントサービス。食事、運動、睡眠などの日常生活からキャリア設計まで幅広くサポートし、ウェアラブルデバイスとの連携によりリアルタイムでのアドバイスも可能になる。月額制のサブスクリプションモデルを採用し、ユーザーの継続的な利用を促進する。健康志向の高まりやワークライフバランスへの注目から、潜在的な市場は大きいと考えられるとしている。

2つ目の「次世代型バーチャルツーリズム」(推定売上:年間300億円)は、最新のVR技術を活用し、世界中の名所や文化を自宅にいながら体験できるサービス。単なる観光地の映像だけでなく、現地のガイドによるリアルタイムツアーや、他の参加者との交流機能も備える。コンテンツ利用料と、VRデバイスのレンタル・販売による収益を見込み、旅行需要の変化や、環境への配慮から実際の移動を減らしたい層にアピールできるだろうとしている。

3つ目の「サステナブル食品デリバリー」(推定売上:年間400億円)は、地域の有機農家や環境に配慮した食品メーカーと連携し、サステナブルな食材を使用した食事を提供するデリバリーサービス。包装も生分解性素材を使用し、環境負荷を最小限に抑える。食事の提供だけでなく、栄養バランスや環境への影響についての情報も提供し、顧客の意識向上にも貢献。SDGsへの関心が高まる中、企業の社員食堂向けサービスとしても展開可能だ。

4つ目の「スマートホーム統合プラットフォーム」(推定売上:年間600億円)は、異なるメーカーのIoTデバイスを一元管理し、最適な家庭環境を自動で実現するプラットフォーム。エネルギー消費の最適化、セキュリティ管理、家事の自動化などを統合的に行う。プラットフォームの利用料に加え、パートナー企業からのレベニューシェアも収益源となり、スマートホーム市場の拡大に伴い、大きな成長が期待できる。

5つ目の「パーソナライズド教育プラットフォーム」(推定売上:年間450億円)は、AIが学習者の適性や進捗を分析し、個別最適化されたカリキュラムを提供するオンライン教育プラットフォーム。従来の学校教育を補完するだけでなく、社会人のリスキリングにも対応する。月額制の利用料に加え、企業向け研修プログラムの提供も実施。生涯学習の重要性が増す中、幅広い年齢層にアピールできるサービスとなるだろうとしている。

6つ目の「高齢者向けヘルスケア・コミュニティ」(推定売上:年間550億円)は、高齢者の健康管理と社会参加を支援する統合型プラットフォーム。遠隔医療、服薬管理、運動サポートなどの健康機能に加え、趣味のコミュニティやオンラインイベントの開催支援も行う。医療保険との連携や、家族向けの見守りサービスなど、多角的な収益モデルを構築。超高齢社会を迎える日本において、大きな社会的ニーズに応えるサービスとなる。

7つ目の「循環型ファッションプラットフォーム」(推定売上:年間200億円)は、サステナブルファッションに特化したECプラットフォーム。環境に配慮した素材を使用したアイテムの販売、中古品の売買、レンタルサービスを1つのプラットフォームで提供。不要になった衣類のリサイクル・アップサイクルサービスも展開する。取引手数料やサブスクリプション型のレンタルサービス利用料が主な収益源となり、ファストファッションへの批判が高まる中、新たな消費スタイルを提案するサービスとして注目を集めるだろうとしている。

アクリオは、これらの新規事業アイディアはいずれも現代社会の課題やニーズに応える可能性を秘めているとし、新規事業を検討中の企業への活用を呼びかけた。